九条の貴婦人 (ページ27)

今日:82 hit、昨日:17 hit、合計:156,421 hit

26 ページ27

小野木「うっせぇな！！！仲間馬鹿にされて黙ってられっかよ？！」

仲間と聞いた鳴宮は暗かった顔を少し明るくさせた

本村「なにを揉めてるんです？」

小野木の怒鳴り声が聞こえたのか桐先部員の足は止まり、本村が後ろを振り返った

万次「なんでもないっすよ、部長」

山之内「部長って……桐先の？」

如月「知り合い？」

まさか早気について尋ねた相手が桐先の人とは思ってなかった山之内は微妙な返事をする

藤原「千、万」

藤原の声に気づいた鳴宮は立ち上がった。空気も暗く雨が降りそうだ

藤原「そこでやめておいた方がいい……本村先輩、2人は彼らが俺の知り合いなのに気づいて挨拶してくれたようです」

揉めている場に来た本村は「知り合い？」と聞き返した

藤原「中等部時代の同期ですよ、先輩もご記憶ありませんか？」

本村「中等部の……？」

藤原「久しぶりだね静弥、湊」

藤原は2人に近づき挨拶を交わすが竹早が鳴宮の前を遮った

竹早「久しぶり、愁」

その様子を見た藤原は軽く笑った

藤原「相変わらず静弥は湊の騎士を務めているのかい？湊だけじゃなく君まで別の高校を選んだときは驚いたよ」

竹早「相変わらずは愁のほうだろ？この間も20射皆中を決めたって聞いたよ、貴公子の名は健在だね」

藤原「そんな俗称に興味ないな、湊は今日の個人戦には出るのかい？」

藤原の問いに鳴宮は首を横に振った

鳴宮「明日の団体戦だけだ」

藤原「じゃあ戦えるのは明日か、残念だが楽しみだ」

小野木「俺は出るぜ！」

まだ苛立ちが抑えきれない小野木はそう噛みつく

万次「え？それがどうしたのさ？」

千一「まさかのまさかだけど愁に貼り合おうとか？ぽっとでの弱小弓道部が県トップの桐先高校のエース藤原愁に？」

万次「うわ、かっけー」

小野木「てめぇら！！！！」

未だに煽ってくる菅原ツインズに小野木は怒りが抑えきれない

A「なにしてるの貴方たち……小野木の声がすごく聞こえたよ」

どこかに電話した後スマホを置きに戻ったAは険悪な状況に眉を顰める