九条の貴婦人 (ページ14)

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休日が過ぎまた練習が始まる

小野木の後ろでは湊が引いており竹早が会を測っていた

竹早「0.65」

小野木「ッ！」

集中が途切れた小野木は前安土に抜いた

如月「四番外れ」

山之内「ほい」

道場の外から如月と山之内が記録を取っていた

その間も竹早は湊の会を測り読み上げていた

小野木「邪魔なんだよ、弓が引けないなら外でゴム引きでもしてろよな」

ついに小野木のイライラが出てしまう

鳴宮「小野木の邪魔をしたつもりないけど」

小野木「さっきから気が散るんだよ」

竹早「声に出してたのは僕だけどね」

小野木「竹早は黙ってろ！」

鳴宮を庇った竹早だが小野木には通用しないようだ

妹尾「A、どう？」

男子の雰囲気が悪い中女子は自分の技術向上のため弓を引いていた

A「うん、梨可は安定してるね」

花沢「私の射型も見て！」

A「うん」

トミー先生「Aさんは人気者じゃのう」

部員に囲まれているAを見てトミー先生は微笑ましそうな顔をした

一通り教えたAは射に入る

如月「竹弓ってめずらしいよね」

山之内「そうなの？でも矢とか高級そうだよね」

如月「灰鷲羽って言ってたよ」

山之内「それってどのくらい？」

如月はスマホを取り出し調べてみる

如月「……6万から7万くらいだって。竹弓も10万くらいするし俺には買えないや。見て、九条さんの中学時代に全国で優勝したときのインタビューもネットにあるよ」

それを聞いた山之内は顔を青ざめ「じゅっ！」と声が漏れた

Aは甲高い弦音を響かせ的の真ん中に的中した

小野木「(弓返りしてるな……)」

トミー先生「相変わらずAさんの射型は神秘的で美しいのう」

白菊「鶴のように綺麗ですわ！」

花沢「ほぅ……」

絶賛の中Aはただ微笑んだ

練習終わりに的あげをしていた山之内と如月は何かの計画を立てておりその様子を道場にいた竹早は見ていた

翌日、山之内と如月は朝早くから弓道場に向かったが竹早が前を通り過ぎるところを見て足を止めた