九条の貴婦人 (ページ29)

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開会式が終わり個人戦が始まる

個人戦に出る女子4人と小野木と如月は準備をし、個人戦に出ない鳴宮と竹早と山之内は外の観覧席に座っている

まずは女子の部から行射する

妹尾は一本目から中て観覧席にいる3人は「よーし！」と言うが、山之内は拍手をしそうになる

鳴宮「遼平！」

竹早「拍手は皆中の時だけだよ」

山之内「あ、そっか！そうだった」

続いて花沢は抜き白菊も抜いた。白菊の顔色はさっきよりだいぶ悪くなり苦しそうな表情をする

竹早「初めての試合だから仕方ないよ」

鳴宮「気持ちを入れ替えれるといいけど」

鳴宮は女子の記録をとっていく

山之内「でも弓道ってさー、うんと地味というかストイックだよね。声音は擬音なしだしかけていいのは的中したときの……」

「「よーし！」」

山之内「って声だけだし」

竹早「僕はこの静けさが好きだけどね」

「「よーし！」」

妹尾が皆中しみんな拍手をする

山之内「確かに自分が引いていたらそうかもしれないけどさー」

「「よーし！」」

ここで花沢は中てる

竹早「白菊、辛そうだな」

山之内「ほら、今みたいに声かけてやりたいじゃん？どんまーいとか、大丈夫だぞーとか」

白菊は最後後ろ安土に抜き退場となった

竹早「妹尾は4射皆中、花沢は1中、白菊は残念か。次の立はAだね」

鳴宮「白菊、朝から調子悪そうだったしな」

山之内「でも試合で1つも中らないのはキツイよ～。ね、静弥？2回戦に残るにはいくつ中ってればいいの？」

竹早「4射2中だから今のところうちで上がれるのは妹尾だけだね」

山之内「半分中てるとか俺無理……出なくてよかった」

山之内は苦そうな顔をする

竹早「遼平も普段はそのくらい中てるだろ」

山之内「この雰囲気で中てる自信全然ないよ～」

鳴宮「明日の団体戦だって雰囲気は似たようなものだけど」

山之内は顔を青ざめながら頭を抱え慣れのために個人戦出ればよかったのかと後悔ぎみに話した

竹早「次Aの番だよ」

Aが的前に立った瞬間、場の緊張が走る。それが観客席に届き山之内は震える