♯31.5 ページ35
7月9日。
本格的に夏になりはじめて、少しした…眩しい太陽の季節。
『…何だ、尊。そんな顔をして。』
僕の大切な人は、一つ歳をとる。
大人になる。
世間一般で言えば、誰にとっても幸福な日であるはずなのに…
「僕、今…そんなに可笑しな顔をしているかい?」
『いや…とても、辛そうに見える。何か、嫌なことでもあったのか…?お前がそんな風なのは、珍しい…。』
君は寧ろ、辛そうで。
何時もなら、自然に口から出てくる軽口も出てこなくて…
『…何か、あったなら言え。…お前には、何時も世話になっているからな。出来ることはしてやる。』
辛いはずの君に心配されてしまうから、僕は…君の前から逃げ出したくなる。
「なんでも無いよ。気にしないで。でも…嬉しいな〜。君が僕のことを見てくれてるって感じで!僕らやっぱり、相思相愛なんだろうね〜!」
『…っ気色悪いことを言うな。バカ。』
何時も鈍いのに…気付いて欲しくない時に限って、妙に鋭い…
これ以上に無いくらい愛おしい君から。
これ以上、幸福を奪わないように。
でも…僕は消して逃げなかった。
大切な、君の前から。
『…今日は何の用だ?』
今まで、同じ日に生まれた大切な兄弟たちと祝っていた賑やかな日に…一人で過ごす寂しさなんて容易に想像できるし…
「今日はね、これを届けに来たんだよ。」
「誕生日、おめでとう。」
君に、自分の生まれた日を幸福な日なんだと知ってほしいから。
『…向日葵、か。俺には似合わん花だな。』
『…でも、礼を言う。ありがとう、尊。』
昨年から、ずっと君の誕生日に贈り続けてきた…向日葵の花。
太陽に憧れるように、太陽に向かって咲く…この鮮やかな黄色の花が君に一番似合う花だと知って欲しいから。
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天くん、陸くん、そして海くん!お誕生日おめでとうございます!
企画や話の構成に時間がかかり…このような時間での公開となってしまい、誠に申し訳ございません。
でも、自分の納得がいくものを作れて良かったと思っています。
占ツクの小説のお誕生日企画の小説を良く拝見するのですが、割と緩い回が多いですよね?
そんな中…海くんの誕生日を悲しく思ってる尊くんの独白ってどうなんだ〜って思ったんですけど…
ネタバレ防止の為にも、これが私のベストでした。
来年は幸せな誕生日の風景を書けるところまで話を進めたいです。
宜しければ、感想や来年…こんな誕生日企画をして欲しいなどのご意見をコメント欄に書いて作者に教えてください!
今後の参考にさせていただきます。ありがとうございました!
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月(プロフ) - キャベツの芽さん» はじめまして!コメントありがとうございます!尊くんもちゃんと受け入れられていて、大好きだと言ってもらえる程だと知れて安心しました!本当にありがとうございました! (2019年5月24日 17時) (レス) id: f01d23ed14 (このIDを非表示/違反報告)
キャベツの芽(プロフ) - 初めまして|´-`)チラッ海くんも尊くんも大好きです!!これからも楽しみにしております!! (2019年5月24日 14時) (レス) id: 270caf8b44 (このIDを非表示/違反報告)
月(プロフ) - Suiさん» コメントありがとうございます!これからも海くんのことを温かい目で見守ってくださればと思います。 (2019年3月26日 23時) (レス) id: f01d23ed14 (このIDを非表示/違反報告)
Sui - 続きがすっごい気になります!更新頑張って下さい! (2019年3月26日 21時) (レス) id: 8fe2495ae6 (このIDを非表示/違反報告)
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