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♯32 ページ36

突然現れた海に、驚く2人。

しかし、驚いた理由は…決して海が突然現れたからだけではない。

「!…海さん、いつからそこに…?」

「海にぃ…!」

クールで、必要最低限のことしか語らず…常にポーカーフェイスを貫いている海。

そんな彼の感情が激しく揺れ動くのを見たのは、TRIGGERのライブ帰りにパフォーマンスをした後…泣いて、一緒に歌いたいと言ったあの時だけ。

あの時だけの筈だった。

それなのに…

『…陸の気持ちを、決意を…今は大切にしてやりたいんだ。…頼む。』

陸の思いを大切にしたいと願い…

『…俺も、出来る限りのサポートをする。…決して、最悪の結末にはしない。』

『…だから、陸がアイツらに言える覚悟ができるまで……っどうか…!待ってほしい。』

自分に出来ることは全てすると、そう言い切る海は…あの時以来ではないかという程に感情的になっていた。

故に、驚かずにはいられなかったのである。

あの時のように、海が感情的になることを予想出来ずにいたから。

その感情的になる理由が、疎遠になっているという陸にあるということも。

そんな海に一番驚いている陸は…改めて一織に頼み込んだ。

「……一織、お願い……。」

海の隣に並んで、必死に懇願した。

自分の秘密を一織にバラされたくない、自分の夢を叶えるためにも…ずっと秘密のままにしていたい。

最初…一織に頼みに来た時、陸の思いは全部自分のためのものだったけれど…

『…陸。』

今は違う。

今まで、何故か自分を遠ざけ…わざと距離を置いて接しているような素振りを見せていたクールなもう一人の兄。

この兄もまた…自分のことが嫌いなんじゃないかと、今の今まで悲しいと感じながらもそう思っていた、大好きな家族が自分の気持ちを尊重したいと思っていてくれて…

自分を全力でサポートすると、そう言ってくれた。

自分のために、頭までさげてくれた。

そうなればもう、これは陸だけの問題ではない。

自分のために頑張ろうとしてくれている兄の想いに応えるためにも、絶対にステージに立ち…

IDOLiSH7のセンターとして、命を懸けでも役割を果たしたい。

陸の中に今あるのは、そんな…誰かを、大切な兄弟である海を思う気持ちだった。

自分の夢だけのことを考えていた先程とは明らかに変化していたのである。

そんな陸の気持ちを受け取って、一織は何を思うのか。

未だ、それは黙り込んでいるのでわからない。

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(プロフ) - キャベツの芽さん» はじめまして!コメントありがとうございます!尊くんもちゃんと受け入れられていて、大好きだと言ってもらえる程だと知れて安心しました!本当にありがとうございました! (2019年5月24日 17時) (レス) id: f01d23ed14 (このIDを非表示/違反報告)
キャベツの芽(プロフ) - 初めまして|´-`)チラッ海くんも尊くんも大好きです!!これからも楽しみにしております!! (2019年5月24日 14時) (レス) id: 270caf8b44 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - Suiさん» コメントありがとうございます!これからも海くんのことを温かい目で見守ってくださればと思います。 (2019年3月26日 23時) (レス) id: f01d23ed14 (このIDを非表示/違反報告)
Sui - 続きがすっごい気になります!更新頑張って下さい! (2019年3月26日 21時) (レス) id: 8fe2495ae6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:神崎ユエ | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2018年7月13日 1時

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