鬼人の涙 ページ47
『離れろ……。』
私はサスケとナルトから離れ、足を引きずりながらもガトーに近づく。
『その子から……今すぐに離れろ!!』
「止めろA!お前の怪我じゃあの人数は無理だ!」
そのカカシ先生に足を止めるも、私の目はガトーの目を捉えたまま。
邪鬼眼だから、ガトーは固まったように動かない。
このまま幻術を……
「A。こっちおいで。落ち着いて、考えてごらん。」
『カカシ先生……。』
私は一度ギロりとガトーを見た後、大人しくカカシ先生の元に行った。
カカシ先生の言う通り、落ち着かなきゃ。怒りと憎しみで動いちゃ駄目。
「お前も何とか言えよ!仲間だったんだろ!!」
ナルトが堪えきれなくなって、再不斬に叫ぶ。それでも再不斬は、白を利用しただけだと。未練はないと言った。
『ねぇ…。本当に、そう思ってるの……?』
私は、知らずのうちに泣いてしまっていた。道具として使われて、それでも再不斬のことは大好きで。
あの子は自らの命を、大切な人の為に捨てたんだ。
私は果たしてそれができるのか。守りたいと抜かしておいて、私はそれができるのだろうか。
ナルトが再不斬に泣きながら叫ぶ。すると再不斬は、こっちに振り返った。
「それ以上は…何も言うな……。」
再不斬は、泣いていた。
ああ。やっぱり、あなたにとってもあの子は大事だったんだね。良かった。
「おい。小娘。すまないが、ガトーは俺がやる。」
『うん……。』
ナルトからクナイを受け取った再不斬は、とても速いスピードで敵に突っ込み、あっという間にガトーの首を切り落とした。
その姿はまさに鬼だと言えるけど、私はどうしても悲しかった。
ガトーが力なく倒れるのを見ると、それが何故か母さんと重なった。
「目を背けるな。必死に生きた男の最期だ。」
『っ……うん……うっ…ひっく…。』
次から次へと流れる涙を必死に拭ってはいるものの、全然止まらない。
すると、金づるを殺されたことから襲撃されそうだったけど、イナリや町民の人達のおかげで足が止まり、私は最後の力を振り絞ってナルトやカカシ先生と共に影分身を作った。
そいつらが去った後、再不斬の頼みから白の横に寝かせる。
「できるなら……お前と…同じ所に…行きてぇなぁ……俺も…。」
そう言って、再不斬は息を引き取った。
大丈夫……。行けるよ再不斬…。二人共ちゃんと一緒に……。
私はそれを見届けると、その場に倒れ込み意識を手放した。
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眠 - うおっめっちゃええやん・・・この作品一気に読み進めよー! (2021年10月6日 18時) (レス) @page2 id: cfd8dfa5f7 (このIDを非表示/違反報告)
藍夜(プロフ) - ミルク さん» まさか2年前の作品にコメントが来ると思わず、びっくりしてしまいました!昔書いたものなので今よりももっと拙い文章ではありますが、参考の域をこえなければ、参考にしてくださって構いません。私も嬉しい限りです! (2020年10月31日 16時) (レス) id: 1084e77889 (このIDを非表示/違反報告)
ミルク - 作品を読んで感動しました!作品を参考してよろしいですか?? (2020年10月31日 12時) (レス) id: 243dd4bfbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藍夜 | 作成日時:2018年5月26日 22時