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約束の場所 ページ2

これは、まだアカデミーに入る前の私たちが、誰にも言わないと約束を交わしたという、幼き日の思い出だ。


『シーカーマールー!あーそーぼー!』

「なぁA。雲見に行こうぜ。」

『お!いいね!私、とっても素敵な場所見つけたんだ!!そこ行こ!』


そう言ってシカマルの手を引っ張る。


ここは里の外れにある森林の中。そこには一箇所だけ、開けた場所がある。

空を見上げやすいし、風も心地良い。


「おー!なかなかいいところだな!」

『でしょでしょー?ここはシカマルの私だけの秘密の場所ね!約束!!』

「分かったよ。A。」


そこは、シカマルにとって第二のお気に入りの場所となった。


シカマルは何年も何年も、私との約束を守ってくれている。

それだけがとても嬉しい。


今日は一人でこの場所に来てみた。シカマル、家に居なかったし。


すると、木の上に猫が登って降りれなくなっていた。


『!待っててね!今行くから!!』


そう言って木に登り、やっとのことで猫を捕まえた途端、木の枝から滑り落ちてしまった。

猫を庇い背中を丸めて落ちるけど、意外と衝撃が大きくて、少し崖になっている所に放り出された。


意識が朦朧としだして、猫の鳴く声が遠のく。


気がついたら、シカマルが心配そうに見ていた。


「!!A!無茶してんなよ!馬鹿か!」

『ごめん…だって猫…』

「だからってなあ!!………ああ!…心配させんなよ…。」


そう言って抱きしめてきたシカマルは、どこか弱々しいものだった。


ああ。悲しまないで。私のことを、心配しないで。


どうか、笑って。


『シカマル!えーがーお!』

「誰が笑ってられっか!!」

『おっとぉ…火に油を注いだか……。』


その私の反応に、シカマルが吹き出したため、良かったと心底思う。


「ほら、乗れ。」

『へ?』

「怪我してんだろ。歩けないなら、無理すんな。」

『…シカマルには適わないわ…。』


そう言ってシカマルの背に乗る。その背は、暖かくて、優しい温もりがあった。


『ねえ、シカマル?』

「あん?」

『へへっ。ありがとう。』


この幸せが、続くといいなぁ。

母さん達が死んでから、何かとシカマルには迷惑かけてるもん。


『シカマルは、笑顔のまんまでいてね。』


シカマルの笑顔を、里の笑顔を私が守らなきゃ。

一族の指名。それもあるけど、私はみんなの笑顔が大好きだから。


シカマルの暖かな背で、私は眠りについた。


「…おめーもな。A。」

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- うおっめっちゃええやん・・・この作品一気に読み進めよー! (2021年10月6日 18時) (レス) @page2 id: cfd8dfa5f7 (このIDを非表示/違反報告)
藍夜(プロフ) - ミルク さん» まさか2年前の作品にコメントが来ると思わず、びっくりしてしまいました!昔書いたものなので今よりももっと拙い文章ではありますが、参考の域をこえなければ、参考にしてくださって構いません。私も嬉しい限りです! (2020年10月31日 16時) (レス) id: 1084e77889 (このIDを非表示/違反報告)
ミルク - 作品を読んで感動しました!作品を参考してよろしいですか?? (2020年10月31日 12時) (レス) id: 243dd4bfbb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:藍夜 | 作成日時:2018年5月26日 22時

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