感覚 ページ9
『かっ……は……………。』
口から血が溢れていく。
ゆるゆると自分のお腹に視線を移せば、そこには風穴が開いていた。
ぼたぼたと赤い血が落ちて、服や至る所にシミを作っていく。
『な……んで………。』
手をあてがい医療忍術を使うが、チャクラが足りず思うように治らない。
大蛇丸の方を向けば、四人の部下に抱えられる。
『ま……て…………大蛇……丸……！！』
私が一歩踏み出した瞬間、力が入らずにその場に倒れ込んだ。
朦朧とする意識の中大蛇丸を目で追えば、暗部の人達も敵の忍法のせいで動けなくなり、本当に去ってしまった。
ああ……私は…………みすみす火影様を殺させておいて……何も出来なかった…………。
火影様の方まで這いずっていき、静かに眠るその顔を見つめる。
『ごめ……なさ……………。私は……火影様を……守ることが……できませ……でした……。』
涙の代わりに、私の頬を血が伝っていく。
私の体から、どんどん血が無くなっていく。
ああ。私、死ぬのかな。
体内に銀がいるとはいえ、こんなの治りっこないもの……。
そんな時、私はシカマルに抱きしめられた時に言われた言葉を思い出していた。
"お前も、死ぬなよ。"
ごめんねシカマル。その言葉、守れそうにないや……。
きっと、これが死ぬって感覚なんだろう。
体から血が抜けていき、力が入らない。
そして思い返されるのは、今までの美しい記憶たち。
みんなの顔や思い出が蘇る中で、シカマルの顔や言葉だけがひとつひとつ丁寧に蘇る。
ああ…………失敗したなぁ…………。
どうして気づかなかったんだろ…………。
私は……私は……！！
こんなにも…シカマルが好きだったんだ……！
『ふっ……う…………うぅ…………ごめ……ごめ…ね……シカマル…………！』
私の目から流れる血は止まらない。腹部から流れる血も止まらない。
どんどん視界が暗くなり、意識も途切れてくる。
嫌だ。死にたくないよ。まだ我愛羅と話してない。まだ仲のいいただの従姉弟に戻ってない。
まだ、まだ＿＿＿＿＿
シカマルに、好きって伝えてない＿＿＿＿！！
それでも体は言うことを聞かないし、視界は狭まるばかり。
どんどん私の心臓も動きが遅くなっていく。
ははっ…………いざ死ぬとなると…嫌なもんだね…。
シカマル、ありがとう。私に生きる道をくれて。
どうか笑顔で、幸せになってね。
そして、私は重い瞼を静かに閉じた。
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ヒメ(プロフ) - いえいえ。とても面白いですよ！ (2019年5月18日 21時) (
レス) id: 78831db6d6 (このIDを非表示/違反報告)
藍夜(プロフ) - ヒメさん» コメントありがとうございます！楽しい、大好きと言っていただけるだけで、それが励みになります！本当にありがとうございます！これからも頑張りますね！ (2019年5月1日 22時) (レス) id: 4ffe17b14f (このIDを非表示/違反報告)
藍夜(プロフ) - 雪華さん» メモしたのですが、こちらからではコメントを消せないみたいなので、そちらの方で消してもらってもよろしいですか？お手数お掛けしてしまいすいません。 (2019年5月1日 22時) (レス) id: 4ffe17b14f (このIDを非表示/違反報告)
ヒメ - すごく楽しいです！作ってもない私がいうのもなんですが、きっと作るのに苦労をしていると思います。私はこの小説が大好きなのでこれからも頑張ってください！！応援してます！ (2019年5月1日 20時) (レス) id: 78831db6d6 (このIDを非表示/違反報告)
雪華 - 藍夜さん» 出来ました!タイトルは木の葉隠れの氷華族の少女です。パスワードはkonohaです。メモしたらコメント消して下さいね。 (2019年4月30日 23時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藍夜 | 作成日時：2018年12月11日 20時
