追跡開始 ページ43
聞いたところ、今は暁を追っている者はいないと。カカシ先生もいいけれど、銀の鼻を使うのが一番いい気もするな。
…戻ってきたら伝えないと。
まあどちらにせよ、その場所に行かないと追えないか。
「その必要は…無いぜ。」
カンクロウはそう言って、上半身を起こした。すかさず私が背に手を添えて、支えてあげる。
「敵は二人…一人は我愛羅を連れてる。我愛羅のニオイを追えばいい。もし、二手に分かれたとしても、もう一人はカラスの手にそいつの服の一部を握らせてある。」
「……転んでもただじゃおきない…。さすがは砂の忍。」
『………ありがとう、カンクロウ。ゆっくり休んでてね。』
そう言って、駆け寄ってきたテマリにカンクロウを任せ、少しサクラ達の様子を見に行った。
もう解毒薬は出来上がっていて、三人で持っていく。
そして、サクラは手際よくカンクロウに薬を飲ませる。
余程苦いらしく、カンクロウは咳き込んでいた。
「これでもう大丈夫だと思います。後は痺れが引くまで動かないで、ゆっくり寝ていて下さい。」
「よし!急ぐってばよ!」
その声で私は荷物を持ち上げ、銀はちょうどいい大きさの狼になる。
全員の準備が整った時、カンクロウが小さくナルトと私の名前を呼んだ。
「弟を頼む。」
「………まかしとけってばよ。俺もいずれ火影になるからな!今から風影に貸し作っといてやるよ。」
『大丈夫。必ず、連れて帰ってくるから。私の大切な従兄弟だもん。頼まれなくても、やるつもりだよ。』
私はカンクロウに近づいて、体に負担をかけないよう、静かに抱きしめた。
『カンクロウ、行ってきます。』
「…ああ、行ってらっしゃい、A。」
少しだけ震える手で、私の頭を撫でてくれた。
カンクロウに微笑んだあと、私達は外に出た。
「もう少し待ってくれれば、こちらも手だれを用意出来る…。」
「そうですね…。」
「私が行く!」
テマリがそう言ったすぐあとに、私達の頭上から声が降ってきた。
「テマリ、お前は里に残って国境警備にあたれ。」
その声の主は、チヨバア様。
「砂の忍はワシ一人で十分じゃ。」
「でも…!チヨバア様!!」
「それはいくら何でも…」
「ワシを年寄り扱いするでないわい!」
そう言って、チヨバア様は飛び降りた。
そういえば、チヨバア様は凄い方だって、母さんから聞いていたな。
「可愛い孫を久しぶりに可愛がってやりたいんでのォ…。」
だから、きっと大丈夫よ。皆。
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ヒメ(プロフ) - いえいえ。とても面白いですよ! (2019年5月18日 21時) (レス) id: 78831db6d6 (このIDを非表示/違反報告)
藍夜(プロフ) - ヒメさん» コメントありがとうございます!楽しい、大好きと言っていただけるだけで、それが励みになります!本当にありがとうございます!これからも頑張りますね! (2019年5月1日 22時) (レス) id: 4ffe17b14f (このIDを非表示/違反報告)
藍夜(プロフ) - 雪華さん» メモしたのですが、こちらからではコメントを消せないみたいなので、そちらの方で消してもらってもよろしいですか?お手数お掛けしてしまいすいません。 (2019年5月1日 22時) (レス) id: 4ffe17b14f (このIDを非表示/違反報告)
ヒメ - すごく楽しいです!作ってもない私がいうのもなんですが、きっと作るのに苦労をしていると思います。私はこの小説が大好きなのでこれからも頑張ってください!!応援してます! (2019年5月1日 20時) (レス) id: 78831db6d6 (このIDを非表示/違反報告)
雪華 - 藍夜さん» 出来ました!タイトルは木の葉隠れの氷華族の少女です。パスワードはkonohaです。メモしたらコメント消して下さいね。 (2019年4月30日 23時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藍夜 | 作成日時:2018年12月11日 20時