帰郷 ページ32
光が差し込み、眩しくて目を開ける。
目に入ったのは白い天井に、風が吹き込みたなびくカーテン。
ああ、帰ってきたんだ。私の生きる世界に。
ゆっくり起き上がり周りを見渡すと、ベッドの横に花瓶が二本置いてあり、一本は私の好きな花である勿忘草が、もう一本にはアネモネが活けてある。
勿忘草の方はシカマルね。シカマルしか私の好きな花は知らないから。
そしてアネモネの花言葉は…「あなたを信じて待つ」だったかな。
これはサクラかいのね。花言葉を知ってるのはその二人。結構心配かけちゃってたんだなぁ。
でも、ちゃんと帰ってきたよ。信じてくれてありがとう。
…さて、ここが病院なら受付に行けば人がいるかな。
そう思いベッドから下りると、目線がいつもより高いことに気がついた。そういえば髪も腰まで伸びている。
……私、どれくらい寝てたのよ。
そんなことを考えながら受付に行き、人に声をかける。
『あの、すいませ』
「鬼門さん!?目が覚めたんですね!!」
『あ、はい。』
「えっと、一旦病室にお戻りください。今火影様をお呼びしますので!!」
そう言うと、受付は慌ただしくなる。
とりあえず病室に戻り、大人しくベッドに座っていると、ものの数分で人が沢山入ってきた。
「調子はどうだ?A。」
そう言葉を発したのはとても綺麗な女の人……って、三忍の綱手様!?
『は、はい、全然大丈夫です。えっと、なぜ三忍の綱手様がここに…?』
「ああ、お前が眠っている間に五代目火影に任命された。よろしく頼む。
さて、お前の容態を一から説明するが、その後は普通に退院していい。」
そう言うと、綱手様は私の容態などを話し始めた。
特に外傷もなく、起きる可能性もほぼ無いに等しい状態…か。まああの空間にいたから死なずに済んだわけなんだけど。
そして二年半くらいは意識がなかったと…。
『え!?に、二年ですか!?』
「ああ。その証拠にお前の身長も髪も伸びてるだろ。不思議なことに、成長が遅れるどころか普通に成長してな。驚いたよ。
ブランクはあると思うが、木ノ葉の上忍としていつも通り任務をこなしてくれ。」
そして私がやることは前と変わらない。
体は鈍っているかもしれないけど、私なら大丈夫。
『勿論です。そして鬼門一族として、必ず火影様をお守りします。』
「…無茶はするなよ。」
『はい。』
それは父さん達や三代目様にも言われましたから。
私のできる範囲で、必ずお守りします。
166人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ヒメ(プロフ) - いえいえ。とても面白いですよ! (2019年5月18日 21時) (レス) id: 78831db6d6 (このIDを非表示/違反報告)
藍夜(プロフ) - ヒメさん» コメントありがとうございます!楽しい、大好きと言っていただけるだけで、それが励みになります!本当にありがとうございます!これからも頑張りますね! (2019年5月1日 22時) (レス) id: 4ffe17b14f (このIDを非表示/違反報告)
藍夜(プロフ) - 雪華さん» メモしたのですが、こちらからではコメントを消せないみたいなので、そちらの方で消してもらってもよろしいですか?お手数お掛けしてしまいすいません。 (2019年5月1日 22時) (レス) id: 4ffe17b14f (このIDを非表示/違反報告)
ヒメ - すごく楽しいです!作ってもない私がいうのもなんですが、きっと作るのに苦労をしていると思います。私はこの小説が大好きなのでこれからも頑張ってください!!応援してます! (2019年5月1日 20時) (レス) id: 78831db6d6 (このIDを非表示/違反報告)
雪華 - 藍夜さん» 出来ました!タイトルは木の葉隠れの氷華族の少女です。パスワードはkonohaです。メモしたらコメント消して下さいね。 (2019年4月30日 23時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:藍夜 | 作成日時:2018年12月11日 20時