木ノ葉side ページ28
シカマルside
任務は失敗に終わったが、全員が一命を取り留めたことに安堵しながら、俺はあいつの病室に足を進めた。
「よお。帰ったぜ。」
ナルトから、こいつが目覚めない可能性が高いというのを聞いた時、俺は言葉を失った。
こいつが死んだら、俺はこの気持ちをどうしたらいい。
そう考えても答えは見つからなかった。
信じて待っているしか道はないが、こいつの異常な程に白い肌を見ると不安でしかない。
「…悪ぃ、A。サスケを連れ戻す任務、失敗しちまった。それに皆の命を危険にさらして…。お前に嫌われちまうかもな。
……お前もいてくれたら、何か違ったかもしんねぇのに…。
なんて、な。」
ピクリとも動かないこいつを、今の俺は守れるだろうか。
親父の言う通り、今回の経験をこれからのことに繋げるんだ。
「……っ…次は…ちゃんと成功させるから……!!お前も……守れるようになるから……!!」
こいつにこんな無茶をさせなくてもいいように、中忍の俺でも必ず何かできるはずだ。
それを、ちゃんと見つけねぇと。
溢れ出る涙を必死に拭い、Aの頬を撫でてから病室を後にした。
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我愛羅side
病室のベッドで寝るAの姿は、雪よりも白く、消えて無くなってしまうかのようだった。
いざ話をしようと来たものの、聞けば死ぬ確率が高いらしい。
「……A、すまなかった。そして、ありがとう。お前とナルトのおかげで、大切なことに気づけた気がする。」
俺の隣にいる兄と姉とも、少しづつ打ち解けてきた。
あとは、お前と話せれば完璧なんだがな。
「我愛羅、あと、おばさん達の墓参りに行くじゃん。」
「ああ、分かっている。」
「全く、あの泣き虫くんのどこがいいんだか…。Aも変わってるな。」
Aの親であるヨミおばさんが死んでいたことは、つい最近知った事実。
Aの一族のことも、初めて知った。
だからAは砂に来れなくなってしまった。それをあの頃の俺は、俺を嫌いになったからだと、勝手に思い込んでいた。
互いに、互いのことを知らなすぎた。
お前が目覚めたら、たくさん話をしよう。
「お前にとっても、俺達にとっても、互いが大切な家族だからな。」
「A、また来るじゃん。」
「早く元気になりなよ。そしたらまた、私達を誘って里を案内してくれ。」
俺達は静かに少し冷たいAの手を握ったあと、病室を後にした。
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ヒメ(プロフ) - いえいえ。とても面白いですよ! (2019年5月18日 21時) (レス) id: 78831db6d6 (このIDを非表示/違反報告)
藍夜(プロフ) - ヒメさん» コメントありがとうございます!楽しい、大好きと言っていただけるだけで、それが励みになります!本当にありがとうございます!これからも頑張りますね! (2019年5月1日 22時) (レス) id: 4ffe17b14f (このIDを非表示/違反報告)
藍夜(プロフ) - 雪華さん» メモしたのですが、こちらからではコメントを消せないみたいなので、そちらの方で消してもらってもよろしいですか?お手数お掛けしてしまいすいません。 (2019年5月1日 22時) (レス) id: 4ffe17b14f (このIDを非表示/違反報告)
ヒメ - すごく楽しいです!作ってもない私がいうのもなんですが、きっと作るのに苦労をしていると思います。私はこの小説が大好きなのでこれからも頑張ってください!!応援してます! (2019年5月1日 20時) (レス) id: 78831db6d6 (このIDを非表示/違反報告)
雪華 - 藍夜さん» 出来ました!タイトルは木の葉隠れの氷華族の少女です。パスワードはkonohaです。メモしたらコメント消して下さいね。 (2019年4月30日 23時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藍夜 | 作成日時:2018年12月11日 20時