誰かを思う心 ページ25
さて、元々の修行に戻るわけだけど、どうしてこうも成功しないのか。
そもそもS級の術会得出来て、なんで未だに血継限界は会得出来ないのか。
やっぱり、術とはわけが違うからかなぁ。
『はぁ…。』
「あ、溜息は幸せが逃げるんだぞ?ほら、幸せ補充に俺の所におーいで。」
そう言ってばっと腕を広げる兄さんの腕の中に、大人しく収まる。
…焦ったところで何も見つからない、か。
「でも、凄いよなAは。あの飛雷神の術まで会得しちゃったんだからさ。」
『んー……兄さんほど凄くない…。』
「兄さんのこと褒めてくれるの嬉しいけど、お前の方が凄いのは事実だからな。」
どうしたら、こういうふうに温かい人を守れるんだろう。
シカマル、第七班の皆、里の人達……。
……まぁ、やるしかないのか。その中で見つけていかないと。
兄さんの腕から抜けると、邪鬼眼を開眼させて兄さんを見る。
どれだけ自分の頭を空にしても、意識を無にしても、相手の動かさないと思っても、瞬きをしてしまえば兄さんは動き出す。
『んぁー!』
「あ、ちょっ、危なっ!」
後ろに倒れようとしたら、兄さんにその体を姫抱き状態にされた。
兄さん、重いから降ろそう。え?軽い?そういうとこだよ兄さん。
『私、向いてないのかなぁ……。』
「何言ってんだよ。お前ほど優秀なやつ、俺は知らないね。」
『私の目の前にいるんだけどなぁ…。』
そう言って兄さんを見つめても、なんのことだという顔をされる。
ただ守りたいだけなのに。やっぱり、人の命を背負うからにはそれなりに強くなきゃいけないよね。
『よし。もう一回やる。兄さん降ろして。』
「頑張れ!」
もう一度やってみても、兄さんは悠々と動いてしまう。
駄目だ。兄さんの動きを止めなきゃ。
もしあれが敵だったら、瞬きした瞬間にみんなが殺られる。
瞬きしても、相手の動きを止めてなきゃ。
みんなを助けるために。守るために!!
「!!A!!出来てる!出来てるよ!」
『…ふぇ?』
そう言われ見てみれば、兄さんはピタリと動かなくなっていた。
もう一度瞬きしても、それは解けない。
『やった……やった!!』
「おめでとう!何を意識してた?」
『…誰かを助けたい、守りたい、とかかな。』
そう言うと、兄さんはふわりと笑った。
「じゃあそれが、お前の鍵だ。誰かを思う心が、お前の鍵。」
『私の…鍵……。』
やっと会得出来た。この感覚、忘れないようにしないと。
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ヒメ(プロフ) - いえいえ。とても面白いですよ! (2019年5月18日 21時) (レス) id: 78831db6d6 (このIDを非表示/違反報告)
藍夜(プロフ) - ヒメさん» コメントありがとうございます!楽しい、大好きと言っていただけるだけで、それが励みになります!本当にありがとうございます!これからも頑張りますね! (2019年5月1日 22時) (レス) id: 4ffe17b14f (このIDを非表示/違反報告)
藍夜(プロフ) - 雪華さん» メモしたのですが、こちらからではコメントを消せないみたいなので、そちらの方で消してもらってもよろしいですか?お手数お掛けしてしまいすいません。 (2019年5月1日 22時) (レス) id: 4ffe17b14f (このIDを非表示/違反報告)
ヒメ - すごく楽しいです!作ってもない私がいうのもなんですが、きっと作るのに苦労をしていると思います。私はこの小説が大好きなのでこれからも頑張ってください!!応援してます! (2019年5月1日 20時) (レス) id: 78831db6d6 (このIDを非表示/違反報告)
雪華 - 藍夜さん» 出来ました!タイトルは木の葉隠れの氷華族の少女です。パスワードはkonohaです。メモしたらコメント消して下さいね。 (2019年4月30日 23時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藍夜 | 作成日時:2018年12月11日 20時