忘れ形見 ページ24
それから四代目様から説明を受け、実際に修行を初めて数時間。
実際はもっとかかったかもしれないけど、会得に成功した。
『えっと…クナイにマーキングして、投げる…。そして、そこに』
こう。
そう言った瞬間に、少し先の空中にあるクナイの上に移動し、それを手に取り着地した。
「凄い!こんな早く会得しちゃうなんてね。驚いたよ。」
『教えて下さり、ありがとうございました。これで、もっと強くなれた気がします。』
そう言って笑えば、火影様は少しだけ考えたような顔になった後、私を真っ直ぐ見つめてきた。
「君に、お願いがあるんだ。」
『なんですか?』
「その術で、俺の大切なものを守って欲しい。」
四代目の大切なもの。
それはおそらく、忘れ形見であるナルトのことだろう。
そして、里や自来也様、教え子であるカカシ先生も含まれてるはず。
私は火影様に跪いて、頭を垂れた。
『鬼門一族の名にかけて、必ずや、守ってみせます。』
「ん!頼りにしてるよ。でも、くれぐれも無茶は駄目だよ?自分の命も大切だし、どうしても助けられない場合もある。
だから、これは俺との約束じゃなくて、俺の勝手なお願い。」
ね?
と言って笑う姿は、あどけない少年のようだった。
誰でもそう。私に無茶をするなと、自分を大切にしろと言ってくれる。それがこんなにも、嬉しいのは何故なんだろうか。
「俺の大切な息子を、これからもよろしくね。」
「俺達の、でしょ?」
そう声が聞こえたかと思えば、いつの間にか四代目の隣には赤髪の女の人が立っていた。
ナルトの母親であるクシナさんだろう。
『初めまして、クシナさん。』
「初めまして。あなたも、なかなか凄い忍なのね。これなら、あの子も安心して任せられるってばね!」
てばね……?なるほど。ナルトのてばよはクシナさんの遺伝かあ。
「そういえば、修行をしてたんだよね?ごめんね、水を差しちゃって。」
『いいんですよ。こうして、四代目様のお姿を見ることが出来たのですから。』
「この子…凄いしっかりしてるってばね。さすがヨミとゲンの子…。」
「ちょっと、クシナ。そろそろ帰ろう。」
「そうね。それじゃあ、」
「「俺/私達の息子を、どうかよろしくね。」」
そう言って、二人は母さん達の時のように消えていった。
ねえナルト。お前はご両親にあんなにも愛されているんだよ。
これを、お前が小さい頃から知れていたら良かったのにね。
ああ、早く戻りたいな。
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ヒメ(プロフ) - いえいえ。とても面白いですよ! (2019年5月18日 21時) (レス) id: 78831db6d6 (このIDを非表示/違反報告)
藍夜(プロフ) - ヒメさん» コメントありがとうございます!楽しい、大好きと言っていただけるだけで、それが励みになります!本当にありがとうございます!これからも頑張りますね! (2019年5月1日 22時) (レス) id: 4ffe17b14f (このIDを非表示/違反報告)
藍夜(プロフ) - 雪華さん» メモしたのですが、こちらからではコメントを消せないみたいなので、そちらの方で消してもらってもよろしいですか?お手数お掛けしてしまいすいません。 (2019年5月1日 22時) (レス) id: 4ffe17b14f (このIDを非表示/違反報告)
ヒメ - すごく楽しいです!作ってもない私がいうのもなんですが、きっと作るのに苦労をしていると思います。私はこの小説が大好きなのでこれからも頑張ってください!!応援してます! (2019年5月1日 20時) (レス) id: 78831db6d6 (このIDを非表示/違反報告)
雪華 - 藍夜さん» 出来ました!タイトルは木の葉隠れの氷華族の少女です。パスワードはkonohaです。メモしたらコメント消して下さいね。 (2019年4月30日 23時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藍夜 | 作成日時:2018年12月11日 20時