少しの絶望 ページ22
ナルトside
サスケを治してもらった後、綱手のばあちゃんを連れてAの病室に急いだ。
これで、これでAも目が覚めるはずだ。
だって、綱手のばあちゃんはスゲーんだ。
他の医者は無理だって言ってたけど、綱手のばあちゃんなら……なんとかしてくれるはずだ。
「…この子が鬼門一族の忌み子か…。」
「綱手のばあちゃんは、忌み子が嫌いなのか?こいつは、明るくて優しくて、良い奴なんだってばよ。だから、嫌わないでくれ。」
俺がそう言えば、綱手のばあちゃんは優しく笑った。
「いや?この子が悪くないってのはゲンから聞いている。この子が何をしたってわけじゃないし、少なくとも、私は嫌いじゃないね。」
少し離れてな。と言って綱手のばあちゃんは、Aの額に手を置いた。
しばらくそうやっていたら、いきなりばあちゃんの顔色が悪くなる。
どうしたんだってばよ、そんな顔して。そんなに、そんなに悪いのか……?
手を下げた綱手のばあちゃんは、俺の方を静かに向いた。
「……悪いな、ナルト。私には、これはどうしようも出来ない。」
「な、なんでだってばよ!?綱手のばあちゃん!!こいつ、そんなに悪いのか!?なぁ!!」
「私にもどういうことか分からないんだ。この子には怪我も何もないから、治そうにも治しようがない。
他の医者が言ってたように、この子はもう目覚めないかもしれない。
目覚める確率は、かなり低いと言えるな。
まだ心臓は動いているが、これから数年後、十数年後いきなり止まる可能性もある。
それを心しておいた方がいい。」
綱手のばあちゃんは、そう悲しそうに言った。
その時、俺は何かに頭を強く殴られたような感覚がした。
もう目覚めないかもしれないって言われて、でも助けられるかもしれないって綱手のばあちゃんに頼んだのに。
それでも、それでもお前は目ぇ覚まさないのかよ。
俺に、初めて優しさというのをくれた奴だった。その恩も返せないまま、こいつを死なせちまうのか?
「……そんなの、あんまりだってばよ……。」
「……何も目覚めないとは言っていない。この子を信じて、待っててやりな。」
綱手のばあちゃんは、そう言ってゲジ眉の元へと歩いていった。
…このことは、みんなに伝えるべきだよな。
みんなで信じて待っててやれば、絶対目覚めるよな?大丈夫だよな?
「……A、絶対、帰ってこいよ。」
そう言い残して、込み上げてくる涙を拭きながら病室を飛び出した。
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ヒメ(プロフ) - いえいえ。とても面白いですよ! (2019年5月18日 21時) (レス) id: 78831db6d6 (このIDを非表示/違反報告)
藍夜(プロフ) - ヒメさん» コメントありがとうございます!楽しい、大好きと言っていただけるだけで、それが励みになります!本当にありがとうございます!これからも頑張りますね! (2019年5月1日 22時) (レス) id: 4ffe17b14f (このIDを非表示/違反報告)
藍夜(プロフ) - 雪華さん» メモしたのですが、こちらからではコメントを消せないみたいなので、そちらの方で消してもらってもよろしいですか?お手数お掛けしてしまいすいません。 (2019年5月1日 22時) (レス) id: 4ffe17b14f (このIDを非表示/違反報告)
ヒメ - すごく楽しいです!作ってもない私がいうのもなんですが、きっと作るのに苦労をしていると思います。私はこの小説が大好きなのでこれからも頑張ってください!!応援してます! (2019年5月1日 20時) (レス) id: 78831db6d6 (このIDを非表示/違反報告)
雪華 - 藍夜さん» 出来ました!タイトルは木の葉隠れの氷華族の少女です。パスワードはkonohaです。メモしたらコメント消して下さいね。 (2019年4月30日 23時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藍夜 | 作成日時:2018年12月11日 20時