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「涼太」





渋谷のスクランブル交差点。
人がいすぎて人酔いしそうだなとぼんやり思いながら、緑色の電車のレプリカのようなものの前に立つ、やけに背の高い男に声を掛けた。


帽子を深く被り軽く前屈みをしているから辛うじて、辛うじてバレていない。
というか、バレるのは時間の問題。





「Aちゃん、どーもっス」


「帽子一つで変装なんて出来るのね」


「んー、まぁね。出来てるんじゃない?」





なんて能天気な。
サングラスでもマスクでもすればいいのになんて思って、それじゃ逆に目立つかなんてちょっと笑った。

単純に、そんな涼太を見てみたい。
写真撮って拡散しよう。



電光掲示板には営業スマイルで映る黄瀬涼太がいた。

あぁこんな風に微笑まれたら簡単に落ちちゃうんだろうな。
私みたいに


キセリョだ、マジかっこいい、甲高く騒ぐ女子高校生の声が聞こえる。





「涼太君かっこいー」


「棒読みひどい」


「すぐ近くにキセリョがいるなんて思わないだろうね」


「そりゃあ、思わないっしょー。なんたってオレだし?」




あざとく首を傾ける姿がなんとも言えないイラつきを覚えさせたけど、自惚れんな、なんて長い腕を叩いた。

その無駄に高い身長のせいで多分、結構目立ってるけどね。



信号が青になる。

人に飲まれてしまいそうで、なんだか少し怖かった。
ううん、怖いのは多分この先に起こることだろう。


不安を掻き消すようにヒールを鳴らした。





.





「ん、おいしい」





賑やかな通りから大分離れた場所にある洒落たカフェ。
落ち着いた雰囲気で、BGMも流行りのバラード曲が流れている。
夕方だからか、お客さんは少ない。


とろけてしまうような甘い声で笑う。
おいしい、と言って飲んでいるのは暖かいカフェモカで、そっちも美味しそうだなぁなんて頭の隅で思いながら窓の外を見た。





「Aちゃんはまたミルクティー?」


「そ。涼太は嫌いだっけ」


「んー、まぁ別に嫌いじゃないけど。」





よく飽きないよね、なんて笑うけど。
私が飽き性だったら、とっくに他の男に乗り換えてるよ。

あぁそうだね。
私、実は飽き性だから。


今日で、終わり。

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設定タグ:黒子のバスケ , 短編集   
作品ジャンル:アニメ
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はなはな - 初めてのコメント失礼します 素敵な小説でした!赤司くんのお話の題名の意味って何ですか? (2016年6月26日 21時) (レス) id: f96d7679a1 (このIDを非表示/違反報告)
綵架(プロフ) - あざす!!あざます!! 頑張るね(( ありがとうあいらぶさゆ((´艸`*)) (2015年10月12日 8時) (レス) id: a294735b06 (このIDを非表示/違反報告)
さゆ(プロフ) - 綵架さん» 第2弾作って欲しいけど無理しないでください!! これからも応援してます! (2015年10月12日 0時) (レス) id: b1103d098f (このIDを非表示/違反報告)
綵架(プロフ) - さゆさん» ありがと!! みゃーじそん入りましたぁー← …というか、まず第二弾を出せるかどうかが謎なんだけど、できるだけ頑張るね(( (2015年10月11日 23時) (レス) id: a294735b06 (このIDを非表示/違反報告)
綵架(プロフ) - 陽鞠、@秋桜さん» ありがとうございます!! いやいやいや、私なんてまだまだです… 励みになるお言葉、ありがとうございますm(*_ _)m 笠松さん!!…書けるかわかりませんが、精進します…(( (2015年10月11日 23時) (レス) id: a294735b06 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:綵架 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/ayakamakar1/  
作成日時:2015年8月11日 10時

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