【Ｕ−１７日本代表】 白キ帝王と白ノ女帝。【新テニプリ】

六話 ページ8

貴女side



佐野「完全勝利、おめでとう。白鳥さん」


Ｓ２をもストレート勝ちした私は、タオルを持って駆け寄って来た佐野さんに声を掛けられた。




貴女「・・・いえ。皆さんが頑張った結果だと思います」



それに私は淡々と返す。

・・・我ながらに思う。可愛くないとはこの様な事を言うのだと。

でも本心を言ってしまったら、きっと皆私から離れて行ってしまう気がした。



きっと誰も私の事など気にも留めないのだろうと、今日を過ごした。

結果は優勝。


これが本当の無敗の常勝。


私が入った年から、一度も女子の部では負けはなかった。


皆さん私のお蔭だというけれど、私はたいして何もしていないのですが・・・。





何気なく手渡されたトロフィーを眺めながらふと物憂げに思っていたら。





佐野「所で・・・ちょっと、良いかなっ？」



フワッとした雰囲気を醸し出した、少し怖い顔をした佐野さんに声を掛けられた。またしても。





貴女「・・・はい。かまいませんが」




言うが早いか、ぐいぐい腕を取って足早に歩いて行く。





私はこの後何が起きるか、大体の予想をつけながら何も言わずに引っ張られていった。

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