十話 ページ12
貴女「・・・・・・ん、」
白石「! 良かった・・・目ぇ覚めたんやな!・・・しーちゃん、大丈夫か?」
ふっと意識が戻ってきて、目を開けると蔵りんさんの心底ほっとした様な顔が目に入った。
貴女「・・・大丈夫です。えっと・・・此処は?」
白石「医務室や。なぁほんまに大丈夫か?まだ顔赤いで?横になっときや」
起き上ろうとしたら、蔵りんさんに寝かされてしまった。
そうでした、蔵りんさんはこの手の事に凄く煩いんでした。
・・・?そういえば・・・
貴女「・・・どうして蔵りんさんは此処に来ているんですか?
・・・・・私はこの大会に出る事、部長にすら言ってないのに・・・・・」
ふとした疑問。
確かにこの会場から、四天宝寺中は近いですが・・・・。
白石「え?何言ぅとるんや、しーちゃんが助けを求めてきたんやないか」
・・・・・ん?
貴女「・・・私、それどころじゃ・・・・・・・あ」
白石「・・・・あぁ、もしかして『女帝サン』がやったんかな?」
何となく、あの時の会話を思い出した。
・・・どうやって、何故蔵りんさんに助けを求めたんでしょう、女帝さん。
独りでうーん?、と真顔で唸っている私に蔵りんさんはブッ、と噴出した。何故。
すると蔵りんさんは、急に真剣な表情になった。
白石「・・・なぁ、話は変わるんやけど・・・
しーちゃん、最近夜眠れんとちゃうか?目の下にうっすら隈ついとるし、
肌荒れも少ししとるし・・・枝毛もちょいあるで?大丈夫か?」
・・・・えっ。
よ、よく解りましたね・・・。ちょっと怖いですよ・・・。
貴女「いえ・・・そんな事は無いと・・・」
―――――ギシッ
ふっ、と顔を上げると眼前には無駄に綺麗に整っている蔵りんさんの顔があった。
・・・何時の間に布団に乗って来たんですか蔵りんさん。
内心あせあせしていると蔵りんさんの手が、私の顔の輪郭をなぞり、目元を撫でて、
首元まで移動して来て髪に手を伸ばした。
持つと不思議な反射で冬の早朝みたいな輝きを放つ不思議な髪。
お母さん譲りのこの髪は、日本ではとても気味悪がられた。
蔵りんさんはひとしきり私の髪を触ってから、やっぱりなぁ・・・と呟いた。
白石「ん〜・・・やっぱりそうや・・・。言った事全部当たってるで?
ちゃんと夜は寝なアカンで!」
貴女「え、あ、はい・・・・すみません・・・?」
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紅蘭(プロフ) - 面白いです!更新頑張ってください! (2019年7月26日 21時) (レス) id: c067e04ee5 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ - 続きみたいです!!楽しみにしてますね! (2018年6月19日 1時) (レス) id: bbdaff8623 (このIDを非表示/違反報告)
愛美(プロフ) - とっても面白いです!続き楽しみにしてます! (2018年4月21日 20時) (レス) id: dde960ea55 (このIDを非表示/違反報告)
そると(プロフ) - めっちゃ面白いです! 更新楽しみにしてます! 頑張ってください! (2018年2月6日 20時) (レス) id: 1c3be86581 (このIDを非表示/違反報告)
ミリイ(灰崎信者)(プロフ) - 原哲也(ハラテツ)の小説も書いて欲しいです原哲也(ハラテツ)の小説も書いて欲しいです (2017年12月10日 16時) (レス) id: 99fc6b4eef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:塩かまぼこ x他1人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/naki06281/
作成日時:2016年8月7日 18時