半夜兎の舞姫 2【沖田総悟】

鬼がオタクに ページ13

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伊藤さんが来てから、急にトシの行動がおかしくなった。


襲ってきた攘夷浪士へ土下座したり
" 美少女戦士トモエちゃん " とかいうアニメを見たり
禁止していたはずのジャンプを読んだり…


明らかに以前のトシとは違う。
絶対におかしい！！






『 最近は浪士達の襲撃も増えている。
くれぐれも、単独行動は避けるように 』


『『 はいっ！！』』






今日のトシは今の所、普通だ。
いつも通りの鬼の副長、土方十四郎だ。






『 それでは今日の当番を割り振る。
一番隊は… " プルルルル… "






その時、トシの話を遮って着信音が鳴った。

これは完全なる違反行為。切腹だ。






『 やべっ！携帯がっ…！』


『 馬鹿！おめェ！会議中に携帯鳴らした奴は、
局中法度で切腹だぞ！！』


『 ひっ、土方さん！違うんです…！
嫁さんが産気づいて連絡を…！！』






慌てる隊士達をよそに、ある曲の着信音が鳴った。

＿＿＿＿＿＿ ちょっと待って、これってまさかプリ…






『 もしもし、土方ですけど 』






私達の目の前で、何食わぬ顔で電話に出たトシ。

" 限定版DVDBOX " とか " フィギュア特典付き " とか
トシの口からは聞いたことの無いような言葉が
次々と飛び出てくる。


そんなトシを見て、隊士達はザワザワと動揺している。






『 ……士道不覚悟で切腹ゥゥゥゥ！！！』






そして私は、トシに飛び蹴りを食らわした。






その翌日は、しょっぴいた浪士と修学旅行ごっこ。
ご丁寧に布団まで敷いちゃって。






『 … 』






そして私は、トシに飛び蹴りを食らわした。






『 どうしちゃったの…トシ… 』






その姿は、" 鬼の副長 " の威厳など無く
完全にただの " オタク " だった。








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