ひよこ #29 ページ31
.
「 ______うん 」
私がそう言った途端、張り詰めていた空気が
和らいだ気がした。
「 君なら、そう言ってくれると思っていたよ 」
「 私、何かできることがあればやるよ? 」
少しでも【革命】の力になれるなら、
なんでもやりたい。
しかし天祥院くんは、首を横に振った。
「 たまにお見舞いに来てくれればいいよ。
来るべき時が来たら、お願いできるかな? 」
「 うん、もちろん。お見舞い行くね 」
それでいいなら、と頷く。
蓮巳くんは満足気にその様子を見ている。
そして、少し穏やかな空気になったころ、
嵐がやって来た。
「 英智くん、来てあげたね!! 」
「 日和くん、他の患者がいるから静かにしない? 」
聞き覚えのない二つの声に驚いてドアを見る。
2人の美青年がそこに立っていた。
1人は明るい笑顔を浮かべた人。
もう1人は浮世離れした美しさを持つ人。
「 ...凪沙くんの言う通りだよ。君は少し静かにしよう? 」
「 無理だね!元々こういう大きさだから! 」
呆れた様子で注意する天祥院くんに対し、
即答で断る“日和くん”と呼ばれた人。
私と蓮巳くんを置いてどんどん進んで行く会話についていけないでいると___蓮巳くんが口を開いた。
「 英智。川崎に説明したらどうだ。
混乱しているぞ 」
蓮巳くんの言葉に、天祥院くんだけじゃなく
2人の視線も私に集まる。
「 ...ああ、この子が転校生? 」
「 僕は見たことあるね!校内サイトで見た! 」
校内サイト、かなりの生徒が使用しているのか。
あの動画は恥ずかしすぎる。
「 ...ごめんね、A 」
天祥院くんに名前で呼ばれて少しドキッとした。
何気に名前で呼ばれるのは今が初めて。
「 この喧しい方が巴日和くん 」
「 喧しいじゃなくて賑やかって言って欲しい
ね! 」
「 この静かな方が乱凪沙くん 」
「 ...よろしくね 」
巴くんと、乱くん。
珍しい苗字だなあ、なんて思った。
「 わ、私は川崎Aです。よろしく 」
ぺこり、と頭を下げた。
.
1070人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あるみかん(プロフ) - 優樹菜さん» うわああああ!申し訳ございません、前回他の方にも注意して頂いていたのに…すぐに紅郎に修正いたします! (2017年11月26日 20時) (レス) id: 3df0130dff (このIDを非表示/違反報告)
優樹菜 - #30話で気づいたのですが、鬼龍のしたの名前は、九郎ではなく、紅朗ですよ!(たしか)これからも更新楽しみにしてます! (2017年11月26日 8時) (レス) id: 662403215f (このIDを非表示/違反報告)
あるみかん(プロフ) - p−−さん» ありがとうございます!楽しんでいただけてとても嬉しいです!頑張って更新するので、待っててくれると嬉しいです! (2017年11月23日 21時) (レス) id: 3df0130dff (このIDを非表示/違反報告)
たまたま(プロフ) - 初コメ失礼します!とっっっっても面白い!です!笑一気に読んじゃいましたwもう、続きが楽しみすぎてヤバいです!これからも更新頑張ってください*\(^o^)/* (2017年11月23日 20時) (レス) id: 0907e86698 (このIDを非表示/違反報告)
p−−(プロフ) - ですね! (2017年11月6日 21時) (レス) id: 3280412425 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:*かるぴす* | 作成日時:2017年8月24日 11時