脱出 106 ページ9
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花「待ってろ!今行く!」
貴『私なら大丈夫!別ルートで必ず合流する!屋上で待ってて!』
花「何言ってんだ!いいから待ってろ!」
高「花宮サン、Aちゃんを信じてやりましょうよ。Aちゃん、引き返してまっすぐ行って右に曲がると北館の廊下だからね!」
笠「必ず戻ってこい」
福「チビも一緒じゃねぇと意味ねぇし、俺、今吉に恨まれるのはごめんだからな!」
私は大きく頷き来た道を引き返した。
本当は一人になるのが怖かった。
真に来てもらいたかったけど、頼りっぱなしはもうやめると決めたんだ。
私は必死に廊下を走って階段を探した。
すぐに見つけた階段はすでに崩壊していて登れない。
時間と焦りに気持ちが押し潰されているうえに、脇腹の傷が痛み始めた。
手で抑えてみると、何か生暖かいものに触れた気がした。
手を見れば血が付着していて、傷口が開いたことが分かった。
傷って見なければ痛くもないのに見てしまえばだんだん痛みを感じてくる。
壁にもたれて、痛みを和らげようと大きく息を吸い込んだ。
そしてそのまま息を止めて前へと進むが息が続かない。
それに痛みの方が強くて何も考えられなくなる。
ズルズルと座り込み、息を整えた。
必ず合流すると約束したんだ。
何があっても行かなくちゃ。
頭では思っていても身体は動かない。
早「そんなことだろうと思ったぜ」
ふと顔を上げれば呆れた顔の早瀬がいた。
早「まあ、俺のせいでもあんのか。…弘人、いるだろ。手ぇ貸せ」
弘人君?
キョロキョロと周りを見れば弘人君が姿を現した。
貴『えっ…成仏したんじゃ…』
有「Aが心配で完全に成仏なんてできないよ。それに俺だけじゃないよ」
そう言うと弘人君と隣に現れたのはつばめさんと爽矢君だった。
桜「Aちゃん、助けに来たわよ」
桐「僕、まだお姉ちゃんにお礼言ってなかったよね!」
貴『つばめさん…爽矢君…』
早「はいはい、感動の再会はそこまで。さっさと屋上行ってもらうぞ」
と、早瀬が私の背中に手を当てた。
弘人君もつばめさんも爽矢君も続けて手を当てる。
有「じゃあ、これで本当にAとはお別れか…」
桐「僕、お兄ちゃん達との鬼ごっこまたやりたかったな〜」
桜「鬼ごっこなんて懐かしいわね!私もやってみたかったわ」
早「まあ、それぞれ本命の未練なくなってよかったな」
桐「うん!お姉ちゃんがいてくれたおかげだよね!」
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サイガ(プロフ) - しょうどうぶつさん» コメントありがとうございます!いい話って言ってもらえて励みになりますね!ありがとうございます!!(^^) (2018年8月27日 6時) (レス) id: 19e5edb018 (このIDを非表示/違反報告)
しょうどうぶつ - ホラー怖いけどすげーいい話で涙が....( ; ー ; ) (2018年8月27日 0時) (レス) id: 4dcfc1ef4e (このIDを非表示/違反報告)
サイガ(プロフ) - 結愛さん» ありがとうございます!中身が福山さんって考えてください笑笑興奮します笑笑 (2018年1月19日 20時) (レス) id: 19e5edb018 (このIDを非表示/違反報告)
結愛 - え、感動です!!!!本当に!なんか花宮今まででちょっと苦手だったんですけどこの小説を読んで好きになりました!! (2018年1月18日 20時) (レス) id: 1370f18119 (このIDを非表示/違反報告)
サイガ(プロフ) - 俺ツボサァンさん» 泣いてくれて良かったです!^ ^読んでいただきありがとうございます! (2017年2月15日 7時) (レス) id: 19e5edb018 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サイガ | 作成日時:2014年4月29日 13時