脱出ゲーム【迷宮病院】

脱出 26 ページ29

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目を覚ますとそこは病院のベットの上。
私の自. 殺は未遂で終わったのだ。
駆けつけてくれた真と今吉先輩にはすごく怒られた。


花「なんで手首切ったんだよ！答えろよ！」


どれだけ問いただされても私は何も言うことはなかった。
私は頑なに拒み続けた。


今「何があったかは今は言わんでいい。でもな、Aが急にいなくなられるとワシも花宮も困るんや。頼むからやめてくれ」


初めて今吉が泣きそうになるところを見た。


貴『…ご、めんな…さい…』


それから私の精神は少しずつ回復したけど中学は行かず終いだった。
それでも真や今吉先輩が勉強を見てくれて、私は霧崎に行くことが出来た。今の私がいるのは二人のおかげと言っても過言ではない。
だから私は二人に約束した。
もう二度と自ら命を絶とうとしないって…。




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二人には最後の最後まで何が理由で自. 殺したかなんて教えなかったけど、笠松さんと福井さんには話せていた。
きっと真も今吉先輩も勝手に調べてると思うけど…。



貴『だから、今吉先輩はただ心配なだけなんですよ。私が約束を破らないか…』


福「…」


笠「…」


二人は一言も言葉を発することがなかった。
こんな話をしていい気分になる人なんていないだろう。
寧ろ聞きたくないよね。


貴『重い話をしてすいません』


笠「いや、なんて言うか…」


福「お前バカだろ」


ば、バカ！？
突然の暴言に目を丸くする。


福「俺が今吉や花宮の立場ならどれだけ忙しくても話してほしい。絶対守ってやるって」


笠「…だな。2人とも今でも心配してくれてんだろ？だったら話すべきだったな。女のいじめって怖いらしいから、俺らが簡単に何かを言えるようなものでもないけど…」


やっぱ女ってこえーな！って笑いながら私の背中を叩く福井さん。


笠「もう命を粗末にはしないんだろ？」


貴『はい、約束ですから』


福「約束とか関係ねぇよ。とりあえず俺らに宣言しろ。生きて帰るって」


生きて帰る。
つまりそれは死ぬかもしれない境遇にいることを意味する。
この先何が起こるかわからない。
このまま一生出れないかもしれない。
それでも私達は生きて帰る。
私は生きて、真と一緒に誠凛のみんなに謝りに行く。
真は絶対謝らないと思うけど、必ず2人で行くんだ。
それが今の私の生きる意味。

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