Lv.16_帰れない ページ17
『ん、……』
「目が覚めたようだな」
『アンリ……さん、?』
いつの間に寝ていたのだろうか。
重たい瞼を持ち上げるとこちらを心配そうに見ているアンリさんが視界に入った。
「体調に問題はないだろうか」
『特に…強いて言えば眠い、くらいです』
寝たまま話すのは礼儀がなっていないと思い、体を起こそうとすると「無理に起きなくていい」と体制を戻されてしまった。
…別に無理はしてないんだけど。
何やら深刻そうだったので大人しく寝てることにした。
「落ち着いて聞いて欲しい」
『はい』
なんか嫌な予感。
まさか。いや、まさかね。
「君は人間界に帰れないのかもしれない」
……嘘でしょ
『冗談きついですよ…。ふざけないでください』
「ふざけているように見えるか?」
『……。私帰れないんですか』
「……すまない」
深く頭を下げて謝るアンリさん。
『あ、謝らないでください!アンリさんは何も悪くな…………っ』
私は慌てて体を起こしてそれを止めた。
次の瞬間視界が歪み上半身がベッドの外へと倒れ込む。
幸いアンリさんが抱きとめてくれたため、大事には至らなかった。
「無理をしてはいけないといっただろう!ふたりを呼んでくるから安静にして待っていてくれ」
そういえばカルエゴさんとシチロウさんが見当たらない。
『まあ、いっか』
なにやら視界の端に見覚えのある人物が見えたが、睡魔にさからえず、私は意識を手放した。
……
……
……
『……重い』
どのくらい寝ていたのだろうか。
意識がだんだん覚醒してきて窓の外を見ると、空は暗くなっていた。
目線をお腹の方に移動させると、両側に椅子に座り、ベッドに突っ伏してるカルエゴさんとシチロウさんがいた。
重さの正体はカルエゴさんとシチロウさんだったらしい。
右手を握りながら枕のように使うシチロウさんと左手を握りながら枕のように使うカルエゴさん。
かわいい。
これがいわゆる両手に花……?
こんな怖そうなイケメンたちが無防備な姿で私の手を握りながら寝ている。
ギャップで悶え死にそうだ。
でもこのままじゃ身動きが取れない。
どうしようかと悩んでいると部屋の扉がガチャりと開いた。
『!アリンさん』
「起きていたのか」
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ユノン - ほかほかごはんさん» オチはダリ先生がいいです! (2023年1月30日 12時) (レス) @page42 id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
ほかほかごはん(プロフ) - ユノンさん» ユノンさんコメントありがとうございます。更新いたしましたのでお手隙の際に是非読んでいたたけるとうれしいです😌 (2023年1月27日 14時) (レス) id: a44573bd24 (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 続きが気になる! (2023年1月27日 8時) (レス) @page19 id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
ほかほかごはん(プロフ) - ルーミアさん» ルーミアさんコメントありがとうございます✊参考にさせていただきます!ありがとうございます😌 (2023年1月25日 14時) (レス) id: a44573bd24 (このIDを非表示/違反報告)
ほかほかごはん(プロフ) - もち明太子チーズさん» もち明太子チーズさんコメントありがとうございます☺️それは大変ですね…🙄できるだけ更新させていただきます…! (2023年1月25日 14時) (レス) id: a44573bd24 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ほかほかごはん | 作成日時:2023年1月21日 19時