Lv.15_魔界愉快 ページ16
「というのは冗談だ。そんな部屋の隅に居ないで戻っておいで」
『やってること悪魔ですよ……私もうダメかと思いました』
「…悪魔だが」
『そうでした』
この流れデジャヴだな…。
……
私はふぅ、と息を整えて再び隣に座った。
『それでその人間はどうしたんですか?』
「きちんと保護して人間界へかえしたよ。正規の手続きをとって人間界にすぐ戻れるように。魔界での記憶を全部消して家に返してあげたんだ」
子供に言い聞かせるようにアンリさんが言った。
そっか、その人はきちんと帰れたんだ。
よかった。
私も、ちゃんと帰れるよね。
……フラグとかじゃなくてほんとに帰れるよね?
「君は人間界に帰りたいんだね?」
『はい。記憶が無くなるのは寂しいけれど、向こうで待ってくれてる人達(まだ連載が続いている漫画の推しキャラ達)が居るので帰ります』
「君は優しい子だ。そういえば名前を聞いていなかったね、名前を教えてくれるかな」
『鈴木 Aです』
「いい名前だ」
それからアンリさんは色々用意するものがあると言って部屋から出ていった。
シチロウさんとカルエゴさんは部屋に入った途端何もされなかったか、と勢いよく体の隅々までチェックしてきた。
…魔界って身体チェックが主流なの?
私一応年頃の女の子なんだけど。
『そんなに見られると恥ずかしいです…』
さっきまで身体中をぺたぺた触ってたのにその言葉を発した途端バッと手を離されて勢いよく距離を取られた。
シチロウさんに関してはごめん、ごめん、ごめんと言葉を繰り返しながら部屋の隅で丸まってしまった。
「な!!何を恥ずかしがる必要がある!!俺とシチロウは貴様に何かあったか心配してやってたんだ!!決してそんな目で見てたわけではない!!」
『分かってますよそれは!!そんな顔真っ赤にして怒らなくても!!』
「うるさいッ!!!」
その声がいちばんうるさかったのだが、これを言ったらもっと怒られそうだったので言わないでおいた。
その後、怒鳴り声を聞いたアンリさんが何かあったのではとバタバタと帰ってきたことによって部屋はさらにカオスな状況になった。
『ふっ……笑』
「貴様何笑ってやがるッ!!」
「ごめん、ほんとごめん、嫌だったよね、ごめんね、怖いよね、ごめん」
「な、なにかされていないか!?大丈夫か!?」
魔界って結構愉快なのかもしれない。
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ユノン - ほかほかごはんさん» オチはダリ先生がいいです! (2023年1月30日 12時) (レス) @page42 id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
ほかほかごはん(プロフ) - ユノンさん» ユノンさんコメントありがとうございます。更新いたしましたのでお手隙の際に是非読んでいたたけるとうれしいです😌 (2023年1月27日 14時) (レス) id: a44573bd24 (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 続きが気になる! (2023年1月27日 8時) (レス) @page19 id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
ほかほかごはん(プロフ) - ルーミアさん» ルーミアさんコメントありがとうございます✊参考にさせていただきます!ありがとうございます😌 (2023年1月25日 14時) (レス) id: a44573bd24 (このIDを非表示/違反報告)
ほかほかごはん(プロフ) - もち明太子チーズさん» もち明太子チーズさんコメントありがとうございます☺️それは大変ですね…🙄できるだけ更新させていただきます…! (2023年1月25日 14時) (レス) id: a44573bd24 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ほかほかごはん | 作成日時:2023年1月21日 19時