獅子は尾を巻く ページ4
目の前にいる獅子の獣人はかつてAが護衛していた元主人、王族にして第二王子のレオナ・キングスカラー。
昔のように愛らしい面影はすっかり無く、成長したレオナは鋭すぎる目つきをしている。
それでもAは変わらずレオナを仔獅子のように愛らしく想っていた。
しかし、表情を曇らせる。
此方に牙を向けるレオナに。
理由は知れている。また、Aも許されようなどと甘い思考はしていない。
――再会を果たした両者の間に重い空気が立ち込める。
「おや、キングスカラーくん。またサボりですか?というかなぜ新任のA先生の名を知っているんです?」
「……あァ?新任だと?」
「ええ、今日からこのナイトレイブンカレッジに教師として赴任する、A先生です。バルガス先生と同じ体育系科目を担当することになってます」
ぴく、と耳を震わせ唸るレオナに頷き、学園長はAを紹介した。
すると、そういうことを聞いてるんじゃねぇ!と吠える。
おもむろに立ち上がり、Aを下から睨めつける。その気迫は息を詰めるほど重かった。唸るようにレオナが言う。
「なんでてめぇは此処にいる?なぁ、Aっ!なんでこうもあっさり俺の前に現れた……?」
強い、憤りだ。それなのに理性を感じる。真実を知りたい欲求が荒ぶる心を抑えているのだろうか。
それにAはようやく口を開いた。
「……学園長にスカウトされましたので。ナイトレイブンカレッジで教師をしないか、と」
「教師だと?そんなくだらねぇことで今、此処にいるのか?てめぇは、てめぇはそこの……烏野郎に応えたっていうのか……」
「はい、そうです」
「―――っ!」
一瞬レオナの表情が歪む。しかし優秀な獅子はAから顔を背けると、長い尾をくるりと巻いて、
「胸糞わりぃ……」
わざと肩をぶつけ、Aの横を猫のようにするりと通り抜けると温室から出ていった。
獅子の遺した爪痕は黒豹の心に強く刻まれた。
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竹原洸(プロフ) - 続き…見たいです…楽しいです…幸せです…あっ禁断症状がぁぁぁ！！ (2022年8月21日 23時) (
レス) @page18 id: de670ee21e (このIDを非表示/違反報告)
葉紅(プロフ) - もう更新しないんでしょうか？すごく面白いので続きが見たいです。更新楽しみにして待っています！ (2020年9月16日 21時) (レス) id: 915a610475 (このIDを非表示/違反報告)
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