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第139話「罠に堕ちる」ソル ページ47

「……さァ、重力と戦いてぇのは誰だ?」

彼がそう、ニヤリと云ったその時だった。

「……答えよ、マフィアの特使。貴兄らの提案は了知した。確かに探偵社が組合(ギルド)の精鋭を挫けば、貴兄らは労せずして敵の力を殺げる。三者鼎立の現状なれば、あわよくば探偵社と組合(ギルド)の共倒れを狙う策も、筋が通る。」
「……だが、お宅にも損はない。だろ?」

彼は、そう嗤う。
けれど、見え透いた罠に掛かる探偵社では無い。

「……この話が本当にそれだけならばな。探偵社が目先の得物に喜んで噛みつく野良犬だとでも思うのか?敵に情報を与え操るは高等戦術だ。この様な木埋の荒い策で我等を操れると考えるなら、マフィアなど戦争する価値も無い。」
「……敵の頭目から直々に挑発を賜るとは、光栄だな。」

社長からの挑発に、彼は冷や汗を掻きながらそう云う。

「何を隠している?」
「何も。」
「この件で、マフィアはどう動く?」
「……動くまでもねぇよ(・・・・・・・・)。」

……「動くまでも無い」?
僕は、その言葉に頸を傾げたその時…江戸川さんの、静かな声が聞こえてきた。

「……やぁ、素敵帽子君。組合(ギルド)の御機嫌二人組に情報を渡したのは君かい?」
「あ?……そうだが。」
組合(ギルド)は僕達と同じ様に罠を疑った筈だ。しかし、彼等は食いついた。余りに『餌』が魅力的だったからだ。……何で、組合(ギルド)を釣った?」

彼は嗤って「事務員の居場所」と云う。
探偵社は、罠と分かっていても落ちざるを得ない。

「事務員を『餌』にしただと!?」
「直ぐ避難すりゃ間に合う。その上、組合(ギルド)はお宅等が動く事を知らねぇ。楽勝だ。」

僕は気配を消して、戦線から離脱するといろは達、攻勢(オフェンス)乙に連絡する。
簡潔に、けれど分かりやすく。

「事務員が組合(ギルド)に狙われている」と。

第140話「師からの久しぶりの命を。」夢主→←第138話「異能の裏技」ソル



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設定タグ:文スト , 中島敦 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:業猫 | 作成日時:2019年7月10日 12時

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