第62話「怒る中原中也(前編)」夢主 ページ15
「あー……面白かったぁ……。」
私は部屋に戻り(因みに見張りの人に凄くられた)、中也さんが用意して下さった小説を読んでいた。
「……にしても、一回読んでみたいって云っただけみたいな本まで用意して下さるなんて。流石中也さんだなぁ……。」
というか、この部屋どれだけお金かかってるんだろう。
軽く今の私の年収超えてる気がする。
何て考えていると睡魔に襲われ、いつの間にか私は眠りにつく。
其れもそのはずである。
目が覚めると何故か囚われの身になっていて、我儘お嬢様…否、可愛らしいエリス嬢のお相手をして、全速力で走って。
太宰さんに全力の
思えば今日一日、ドタバタと騒がしく過ぎていったのだから。
そして、目が覚めると……中也さんが私を見つめていた。
「うわぁああ!?ちゅっ、中也さん!?な、何してるんですか!?というか帰ってきてらしたんですね!?」
「……いや、いろはの寝顔が可愛いとは聞いてたけど、本当だったんだなって思ってよ……。まぁ……その、なんだ。悪かったな。」
驚く私に、中也さんは「ついさっき戻ってきた所だ。」と笑い、私はそんな中也さんに漸く落ち着いてきた心臓を抑えながらそうなんですね……と返す。
「す、素直に謝って下さる……!!太宰さんとは大違い……!」
「……は?青鯖?手前ェ、まだ青鯖のこと……。」
「……何か勘違いしてません?私、太宰さんのこと尊敬してますけど恋愛感情は持ってないですからね?」
「……そうなのか?……まァなら良い。てか服、着替えろよ。」
「あ、はい……。着替えるので一旦出てもらっても?」
「嗚呼、出来るだけ早くな。話したい事が有るンだ。」
「はい。」
私は断る理由も特に無いので、素直に中也さんに従うことにしたのだった。
第63話「怒る中原中也(後編)」夢主→←番外編「太宰さんの誕生パーティー・2」
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作者名:業猫 | 作成日時:2019年6月13日 11時