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第46話「女王の暴走」夢主 ページ47

「ん……もしもし……。」

電話が鳴っているのに気づいて、私はゆっくりと目を覚ます。

『あ、すみません、起こしちゃいましたか……?』

電話に出ると聞こえてきたのは遠慮がちな一葉ちゃんの声だった。

「いや……ふわ……大丈夫。どっちにしろもうそろそろ起きなきゃいけかったし……。」

私は寝起きの、ぼんやりとした頭で時計を確認しながらそう答える。
どうやら昨日、椅子に座ったまま寝付いてしまったらしく、腰が痛い。

『先輩からの伝言で…“協力感謝する”だそうです。』
「……協力?」
『えぇ。……いろはさん、あの、またお電話しても良いですか?』

私はやっと少し頭が冴えてきて、ふと疑問を問いかける。

「それは構わないけど……私、一葉ちゃんに電話番号教えたっけ?」
『あ、いえ……これ、先輩の電話なんです。』
「嗚呼、そういう……。分かった、じゃあ私も用意しなくちゃいけないから……またね、一葉ちゃん。」
『は、はい!』

そんな何てことない会話を交わして、電話を切って、私はぼんやりと部屋を見渡す。
目の前のテーブルには太宰さんのお茶碗が逆さに置いたままで、昨日おかずに作った肉じゃがは冷たくなっている。

「……帰ってきて、ない?」

そういえば、朝になっても椅子に座ったままなんて、太宰さんが帰ってきてたら有り得ない。

たまに疲れてそのまま寝てしまうことがあるが、次の日文句を云われてしまうけれど、それでも太宰さんはベッドまで運んでくれるのだから。
……そこまでぼんやりと考えて、さっきの会話を思い出す。

協力。

……まさか。
否、でも実際こうやって帰ってきて無いし……。

私は僅かな希望を大切に抱えて、太宰さんの部屋に入る。
いつもの様に、悪戯に笑う太宰さんが居る事を期待して。

……けれど、そんな淡い願いは泡沫の夢の様に消えゆく。

「……ぁ、ぁあ、あああああ!」

私は、意識を手放した……否、女王(異能)に意識を乗っ取られた。

第47話「女王対人虎」中島敦→←第45話「お出かけ・参」夢主


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設定タグ:文スト , 中島敦 , 夢小説   
作品ジャンル:アニメ
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業猫(プロフ) - ルナさん» コメントありがとうございます……修正しますので少々お待ちください;; (2020年6月4日 23時) (レス) id: 3f4322bc19 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - 名字を設定しても、(名字)のままなんですけど.... (2020年6月4日 23時) (レス) id: 63ee3bf45b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:業猫 | 作成日時:2019年5月20日 18時

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