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エレン「俺は……ユキに笑っててほしい」
貴「!」
エレン「せめて悲しいとか苦しいとかで…もう泣かないでほしい」
貴「……」
エレン「誰よりも───幸せでいてほしい」
少し驚いたようなユキの顔を見て、慌ててエレンは手を離した。
胸がぎゅっと痛くなるのを感じて、喉がぐっと詰まった。
でも、もう泣かないでほしいと言われた。
どうしたら良いのか分からなくなった。
エレン「違ぇんだユキ!いや、違わねぇんだけど…!そういうアレじゃ無くて…!あー、えっと…」
貴「ふふっ」
だから
初めてこんなにもはっきりと感じた“心”というものに身を任せた。
エレン「…………え…?」
貴「…私、今どんな顔してるの?エレンったらすごい顔してる」
目をそっと細めれば自然と口角が上がる。
しようと思ってしているわけじゃ無いのに、それをしていると“心”が不思議と暖かくなった。
エレン「…ッ、お前なぁ!」
変な顔をしていると思っていたエレンが突然声を張り上げる。
だが目には沢山の涙が浮かんでいた。
エレン「このぉ…バカユキッ」
弱々しくなった声と同時にぎゅうっと音がするほど抱き締められる。
貴「…泣いてるの?」
エレン「勝手にしろ!」
貴「会話が噛み合わないわ…」
そう言いながら、ユキはまたその表情をふっと緩ませた。
まるで長い冬を越えた花が、初めて蕾を開くように。
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水無月碧音(プロフ) - ピペットさん» ありがとうございます!続編へ移行しますが、これからもよろしくお願いします! (2020年4月10日 15時) (レス) id: 9308ec7c9c (このIDを非表示/違反報告)
ピペット - 始めから読んでいますが感動の連続でした。この後の展開も楽しみです。これからも頑張ってください! (2020年4月10日 15時) (レス) id: 0435408fb3 (このIDを非表示/違反報告)
水無月碧音(プロフ) - ユキさん» コメントありがとうございます!そう言っていただけてとても嬉しいです(*^^*)完結までどうぞよろしくお願いします (2020年3月18日 10時) (レス) id: 9308ec7c9c (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - この小説は数多くある小説の中でもダントツに好きな小説です!!こんなに長く続けて頂きほんとにありがとうございます!!また5期?の進撃の巨人もよろしくお願いします! (2020年3月18日 9時) (レス) id: 40bc579dd3 (このIDを非表示/違反報告)
水無月碧音(プロフ) - 羅天心@らてんしんさん» やっと載せられて良かったです笑ありがとうございます笑笑 (2020年3月17日 17時) (レス) id: 9308ec7c9c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水無月碧音 | 作成日時:2019年7月16日 21時