鎧の魔導士の帰還-2 ページ26
｢グレイ、…服。｣
にこ、と今日も看板娘の名に恥じぬ笑顔を浮かべながら上半身裸のグレイを注意するミラ。
グレイとしては気をつけているつもりらしいが、どうしても脱いでしまうのだろう。
呆れた顔をしながら｢ほら、｣と常備しているグレイの服を手渡した。
グレイがそれを受け取って着替えていると、その隣からナツが｢うぜぇ｣と今にも舌打ちをせんばかりの勢いで言う。
聞き逃さなかったグレイは着替え終えてからナツに喧嘩をふっかけていた。
それを見ていたルシアが｢あーあ、｣と呟く横で、ロキはめげずにルーシィに話しかける。
｢君って本当に綺麗だよね。サングラスを通してもその美しさだ…。肉眼で見たらきっと眼が潰されちゃうな｣
ははっ、と笑いながらクサイ台詞を言うロキを前にルーシィは呆れたように｢潰せば｣と手厳しい事を言った。
｢おーいロキ、言っとくけどルーシィは星霊魔導士だぞ｣
見かねたルシアがそう言うと、ロキは目を丸くする。
追い打ちをかけるようにハッピーが｢蟹とか魚とか居るよ｣と言い、ロキもルーシィの腰にぶら下がっている鍵に気づいたようだ。
慌てて距離を置き、｢ごめん、僕たちここまでにしよう!!｣とまるで今まで恋人だったような事を言い走り去って行った。
｢なあに、あれ。｣
｢なんでか知んねぇけど、ロキは星霊魔導士が苦手なんだと。｣
ルシアの言い分に、ルーシィはわけがわからないというような表情になった。
ついでミラが｢どうせ昔女の子絡みで何かあったのよ。｣とため息混じりに呟いた。
しかし、そのロキがすぐさま戻ってくる。
何やら血相を変えて走ってきたため、ルシアは首を傾げる。
｢どーした、ロキ。｣
｢まずいぞ！ルシア、グレイ、ナツ!!!｣
ただ事ではなさそうな空気に、今の今まで喧嘩を続けていたナツとグレイも｢あぁ!?｣と喧嘩の手はやめずにロキに聞き返している。
次にロキが発した言葉は、その場の全員にとって衝撃的なものだった。
｢エルザが帰ってきた!!!｣
｢あぁぁ!?｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 130人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ねむ | 作成日時：2018年10月22日 0時
