FAIRY TAIL-愛する人たち- (ページ12)

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妖精の尻尾-10 ページ12

その頃、ザッパァンという音が海の真ん中で響いた。
ルーシィが海に落ちたらしい。
ルーシィはそのまま火竜(サラマンダー)の手によって海へと放り投げられた鍵を探す。

幸い鍵はすぐに見つかった。
浅い場所で引っかかっていたらしく、ほっと一安心したルーシィは鍵を持ってぷはっと水面に上がった。

｢いくわよ…開け!宝瓶宮の扉!──アクエリアス!!!｣

キンコーン、と心地よい音がしたかと思えば海の中から上半身が人間・下半身が魚という、俗に言う人魚が現れた。
ハッピーは猫らしく魚が大好きな為、アクエリアスを見た瞬間ヨダレを垂らして｢魚ァ!!!｣とはしゃいでいた。

｢あたしは星霊魔導士よ。門(ゲート)の鍵を使って異界の星霊達を呼べるの。｣
｢さぁ、アクエリアス!あなたの力で船を岸まで押し戻して!｣

にっ、と笑ったまま船と岸を交互に指さすルーシィとは違い何が気に食わないのかアクエリアスは｢ちっ｣と舌打ちをした。

｢ちょっと!今舌打ちしたかしら!?｣

どうやらこの2人、仲はそんなに良くないらしい。
きっ、とアクエリアスを睨みつけてそう言うルーシィにもアクエリアスは｢うるさい小娘だ｣と一蹴した。

｢…1つ言っておく。────次鍵落としたら、殺す｣
｢ご、ごめんなさい…｣

アクエリアスは鍵を落とされた事に激怒していたらしい。
ルーシィを睨みつけそう言ったアクエリアスは、手にした水瓶を大きく振り故意的に大波を起こした。

船は見事に岸へと押し戻されたが、この騒ぎで野次馬が大勢現れた。
しかし、この事が軍に知られれば火竜達に囚われた女の子達も無事に助かるだろう。

そう思ったルーシィはハッピーを連れてナツとルシアが居る部屋へと戻って行った。