浅尾きゅん☆ in tigers 4

やっと ページ15

●準規


　甲子園に帰ってきての広島戦第2ラウンド。


　練習開始はまだまだだけど、早めに球場に向かった。


　ロッカーに入ると、物音が。


　俺より早く来ている選手もいるんだなー・・・


　誰かな、と思って見に行く。


　練習用のジャージに着替えた一人の人物。


　見慣れたその背中。


　首元には『41』の文字。


　「浅尾さん・・・っ！」


　「お？ 準規、はやいなっ(*´∀｀*)」


　俺に向けられたのは怪我で二軍にいた時、いつも励ましてくれた、大好きな笑顔。


　入院していた頃や退院直後にホテルで会った時の笑顔は体調のせいか、どこか辛そうで。


　やっと・・・


　俺の尊敬する浅尾さんが戻ってきたんですね...


　「準規！ ちょっとはやいけど練習行こっか♪ 自主練！！」


　「はい！ 行きましょう☆」


　ランニング、キャッチボール・・・


　普通の練習なんだけど、浅尾さんはなんか嬉しそうで(＾−＾)


　倒れる前から体調悪いのに無理していたわけだから、気持ちよく練習できるのなんて久しぶりなんだろうな・・・


　「拓！ 準規！ そろそろ練習始めるから帰って来いよぉー」


　鳥谷さんに呼ばれ、急いで戻る。


　昨日は鳥谷さんも体調が良くなかったみたいで練習も途中参加だったけど、
　今日はいつもの鳥谷さんに戻っていたo(^▽^)o


　浅尾さんはちょっと体力が落ちているみたいで、練習は休み休みだったけど、7〜8割は参加していた。


　コーチも回復ぶりにはびっくりしていた。


　監督は心配して、『もうちょっとゆっくり戻していけばいいから！』と止めていたぐらい(笑)


　それでも浅尾さんは『大丈夫ですよぉ〜』と言って練習を続けていたけど(￣∀￣)


　心配事がなくなったせいか、チーム全体の雰囲気も良くなっていた。


　「ちょ、準規コントロール悪いわぁ！」


　「すみませんっ、球児さん(^_^;)」


　「そんなんじゃノーヒットノーランできないぞー！」


　「え・・・その話・・・」


　「拓が、『次の試合、準規がノーヒットノーランするって言ってましたよ(ﾟ▽ﾟ)』って言ってたぞ？(笑)」


　ちょっと(笑)


　「いや、あれは浅尾さんが・・・」


　「え、できないって？」


　隣で投げていた浅尾さんが話に入ってきた(^_^;)


　「え、や、やりますよぉ・・・ そのうち・・・」

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