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突然名前を呼んだからか、ぱちぱちと瞬きをした彼はまた微かに首を傾げた。



「俺のこと知ってるん?」



なんて、不思議そうに。


ええ、当然、存じ上げてますとも。
日頃からファンがキャーキャーと黄色い悲鳴を上げている、校内随一のイケメン(片割れ)なのだから。

下手に関われば呼び出しの嵐、牽制されまくりで、
ハブられパシられの平穏とは程遠い生活になるらしいと噂の、あの。



そんな彼が?私に一目惚れ?



『(……いやいやいやいや流石に、ない)』



驚きで涙も止まった。
普通、こういう時、彼のような相手に告白されれば多少なりとも嬉しいと思うのだろうけど。

今私の胸の内を満たすのは、不安ばかりだった。


だって、もし仮に、百万歩くらい譲って一目惚れが本気だったとして。
それを振っても、受け入れても、お先は真っ暗闇なわけで。

そして前述した通り、私は失恋したばかりなのだ。
…未だ、幼馴染のことが好きなのに、弄んでいるだのなんだのと噂されること間違いなしときた。




『(…詰んだ。)』




思考が進めば進むほど、段々と様々な気力が失せていく。
遠い目をし始めた私に気付いていないのか、彼──宮君は何かを期待するような表情でじっと返事を待っていた。

ああ、どうしよう。
何を言ってもバッドエンドが待っている選択肢を選ぶような気分だ。


そして、色々なゲージが限界に達した私は、あろうことか



『え、えっとあの、ごめんなさい急ぐので!!』



と叫んで、走って帰宅したのである。


息切れなんて気にする余裕もなく、出迎えてくれた母に碌な挨拶も返さないまま、
真っ直ぐに自室に入りベッドに突進する。


泣き顔に一目惚れなんて、まさか、そんな馬鹿な。
これは夢だ。絶対に夢に違いない。

違いない、はずだったのに。



୨୧┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈୨୧


椿A

二年二組。図書委員。
失恋して泣いていたら一目惚れされて混乱。
その好意が信じられない。



容姿 ★★★★★
頭脳 ★★★★☆
精神 ★★★★☆
運動 ★★★★☆
人望 ★★★★☆

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宮兄弟推し - 推し=恋愛対象の人間です。宮兄弟ガチ恋勢(わい)には、たまらん作品です。ありがとうございました! (5月18日 20時) (レス) @page28 id: e2e9177bef (このIDを非表示/違反報告)
風矢@二次元待ち(プロフ) - とても幸せな小説でした。おつかれさまです! (2023年2月21日 15時) (レス) @page28 id: 8fd965734e (このIDを非表示/違反報告)
にゃん吉(プロフ) - 胸がギュンってなりました🤦‍♀これからも応援してます!更新頑張ってください🙇🏻 (2022年11月23日 3時) (レス) @page21 id: 4862dc7ef3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:音琥 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/jjijwihief/  
作成日時:2022年11月19日 18時

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