標的 １１２ ページ24
「っ！」
「はーい、お命いただきまーす」
首に突きつけられた剣。
それはボクの首にしっかり当たっているのに、血はまだ流れていない。
佐藤さんは、ボクの首を切る直前で剣を振るう手を止めた。
「……降参。ここからの反撃は無理だわ」
「えー！諦めないでよAちゃん！なんとかして私の意識を他へ向かせて！！」
「できるか！！」
頑張ろうよー、と文句を言う佐藤さん。
不満気な視線を向けてみたが、ビューティフルな笑顔が返ってきただけだった。
「うーん、じゃあ少し休憩する？一旦家に戻って水分補給しようか」
そう言って佐藤さんはボクの頭を撫でる。
すると、とてつもない睡魔が襲ってきた。
……ああ、この感覚は慣れそうにない。
次に目を開けた時、ボク達は家のリビングにいた。
「おっ、Aちゃん起床ですな！スポーツドリンク作っといたよ」
「……ちょうだい」
ドリンクが喉を潤していく感覚を、目を閉じて堪能する。
うん、起きてるって感じ。
「……修行中も早寝早起き、勉強もしっかりしろって言うからさぁ」
修行にあてられる時間少ないかなって思ったんだけど。
言いながら、キッチンでハチミツレモンを作る佐藤さんに目を向ける。
佐藤さんは、少し申し訳なさそうな顔でえへへと笑った。
「まさか、夢の中で修行するとはね」
ボクの修行方法は主に二つに分けられる。
一つは、夢の中……正確には、佐藤さんの精神世界で組み手。
私の精神世界でやらないのは、誰か迷い混んできてしまうかもしれないから、だとか。
成る程、骸対策か。
二つ目は、現実での体力作りなど。
佐藤さんとの組み手で技術を磨いても、それはあくまで精神世界でのもの。
技術に体がついていくようにするため、走ったり筋トレしたりしている。
しかし、
「体力作りは良い感じなんだけどね……」
「うん……なんか、イマイチ上手に体が動かせないんだよね」
今ボクは、予想の逆の状態になっている。
体力はついたけど、なんかこう……もて余しているような気がするんだ。
「どうすればいいんだろう……」
「Aちゃん……」
はぁ、とため息をつくと佐藤さんが気遣ったように名前を呼んだ。
焦ってしまっては、できるものもできない……それはわかっているけど、焦らずにはいられない。
再びため息を吐くと、佐藤さんが何か差し出した。
「Aちゃん、ゲームしませんか」
続く (更新停止中)
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紅夜桜(プロフ) - 待って待ってwww骸に向けて薬指出したのww小指じゃなくてw早く堕ちろってかw (2018年4月14日 23時) (
レス) id: 76ed65e459 (このIDを非表示/違反報告)
マロン - 更新ファイトです！面白いですよー。 (2016年4月6日 0時) (レス) id: b4cf6facbb (このIDを非表示/違反報告)
藤茶 - アサヒさん» 更新楽しみに待っています！ (2016年2月21日 14時) (レス) id: fc058c5266 (このIDを非表示/違反報告)
cat(プロフ) - 初めまして！いつも楽しく拝見させていただいています！早く続きがみたいです！！更新頑張ってください！応援してます！！ (2015年12月5日 15時) (レス) id: b7517d6e3c (このIDを非表示/違反報告)
束(プロフ) - あ、今更ですか？ごめんなさい。 (2015年11月26日 14時) (レス) id: fbf5177267 (このIDを非表示/違反報告)
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