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――――A、中也、太宰、15歳
「ねぇ、中也。包帯ぐるぐる巻きの少年のこと知ってるでしょ」
疑問ではなく断定してそう言うのは、一月程前にポートマフィアにやってきた有島Aという女だ
なにがあったのかは知らないが、首領が拾ってきて姐さんの下に配属された
噂では親殺しだの言われているが、本人から聞いたわけではないから話半分で聞いている
ほぼ同じ時期の参入ということと、姐さん付きということもあり、Aとはよく話す方だと思っている
というか、むしろAが俺と姐さん、首領以外と話しているところなんて見たことがない
他人に興味がないのかもしれない
俺と話したきっかけだって姐さんに促されたからだ
そうでなければAはきっと俺に興味すら抱かなかっただろう
A「ねぇ!中也!」
中也「だぁ!もう!聞こえてるわ!!」
A「じゃあ返事くらいしてよ!」
そう言うなり、少し離れたソファに凭れていたAが手近なクッションを投げつけてくる
同い年と聞いたがこいつはどこか行動が餓鬼だ
どうしてこうもめんどくさい奴らにばかり出会うのか
自分の運命が恨めしい
A「中也!!包帯ぐるぐる巻きでジサツばかりしようとする人知ってるでしょ!?」
中也「はぁ…手前の言ってるのは太宰の糞のことか?」
十中八九あいつのことだとは思うが、一応確認をとる
だが、どうやら名前までは知らないらしい
A「ただ、面白い異能力を持っていると聞いた」
異能の存在は機密情報のはずだ
誰から聞いたのか、気にはなったが深入りをしないようにしよう
Aにおいては割とよくあることだ
A「その人を私に紹介して」
Aのなんの構いもなしに言われたその一言に、俺は思わず盛大な舌打ちをした
中也「なんで俺が…」
A「別に案内してって言ってるんじゃないよ。私を中也の知人として、太宰という男に紹介してって言ってるの」
…なんか気に食わない
ちょっかいをかけてくるAをガン無視していると、部屋の扉が開き太宰が入ってきた
何しに来た。俺がそう言おうと口を開くが、Aの方が先に言葉を発した
A「初めまして。いきなりで悪いのですがお願いを1ついいですか?私のことを力の限り殴ってください」
ソファから立ち上がり笑顔でそう言ったA
初対面の奴に何言ってんだ此奴…
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