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お昼から藤野さんにお願いされていた倉庫の資料整理をしている。
過去5年以上昔の資料は処分するように言われていてるが、もう殆どが昔の資料で大量にある。
中にはボツ企画の分厚い資料とかあって面白い。
今日は頼まれている仕事がこれだけなので、ちょっと読みながらゆっくり作業をしている。
一番大きいダンボールを開けると、7年前の分厚い資料が出てきた。
企画の担当は「大野・二宮」となっていた。
7年前ってことは…、まだ二宮さんが入社してすぐだな…。
ちょうど今の私の年と同じだ。
その企画は絵画展の内容だった。
私でも知ってる、有名な画家さんだ。
すごいな…。
こんなすごいお仕事ずっとやってきたんだ。
資料の隅っこには大野さんが会議中によく書いてるラクガキなのにめっちゃうまいイラストが描かれていて、昔から変わってないんだなってちょっとクスっと笑った。
が、
その瞬間…、
和「何笑ってんの」
私「！！？？」
びっくりした…。
すぐ後ろに二宮さんが…。
和「ふーん、懐かしいの見てるじゃん」
驚いて声も出ない。
和「あー、これ藤野さんから」
二宮さんは台車にシュレッダーを乗せて持ってきていた。
私「あっ、すみません！ありがとうございます…」
また沈黙の時間ができる。
こういう時どうしたらいいのか分からない。
そうだ、やっぱり金曜日のお礼言わなきゃ。
私「あ、あの…。先週は送って頂きましてありがとうございました…。」
和「あー、うん」
二宮さんが私から目を逸らす。
私「？」
すると急にばっとしゃがんで私と同じ目線になる。
私「！！」
和「手伝う」
えっ…。
私「やっ、そんな、二宮さん忙しいのに、大丈夫ですよ…」
和「いいから手伝う。こんなおっきい段ボールAさんが持ったら倒れちゃうよ？」
なっ。
子供扱い…。
ちょっと私も見栄を張ってしまう。
私「大丈夫ですっ、持てます」
すると二宮さんがまた腕で顔を隠して「クククッ」と笑い始めた。
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作者名：みょーちん
| 作成日時：2019年1月22日 0時
