検索窓
今日:2 hit、昨日:5 hit、合計:11,224 hit

164本目 ページ17

キドside

蒼色の稲妻が谷に落ちた瞬間、俺は濡れた地面に膝を着き、同時に確信した。

お姉ちゃんとりゅーは、もう助からないと.....

何故だ。何故こうも、この世界は理不尽ばかりを押し付けてくるんだ。

カ「なんでだよ......」

俺の隣で、カノが同じ様に座り込んだ。

あぁ、セトになんて説明すれば......

頬を流れる雨と一緒に涙を拭った。その時。

谷の下から吹き付けた風。それは緩やかなものではなく、強く、木々を薙ぎ倒さんと吹き荒れる。

底から飛び出したのは、緑色の鱗が全身を覆う、長い何か。

その鋭い爪のついた前足には、りゅーが頭に乗せていた水晶玉と同じ物が________

そいつは吊り橋の先の地面に降りた。俺が放心していると、カノが声を上げた。

カ「姉ちゃん!!」

バッと立ち上がるなり、カノはそいつに向かって走り出した。俺はカノが走る先を見て、目を疑った。

だってそいつの右手に、赤のマフラーを巻いた女性が収まっているのだから。

キ「お姉ちゃん!?」

カノに続き、俺もそいつに向かって走り出した。
長く尖った二本角のそいつはその鋭い牙をちらりと覗かせながら「アヤノは無事だ」と言った。

なんでこいつ、お姉ちゃんの名前を.......?

緑色の美しい鱗に、蛇の様に長い身体。二本の立派な角に鋭く光る蒼い目。

まさか、こいつ.......!

キ「お前......りゅーか?」

我ながら、随分弱々しい声だったと思う。だが、『りゅーだった』そいつは俺の方に目を向け、小さく頷いた。

キ「進化......したのか?」

その問いにも、そいつはコクンと頷いてみせた。そして、自身の右手の中で気を失っているお姉ちゃんに目を移した。

龍「お父と......メカクシ団のおかげだ。ありがとう」

穏やかに口元を歪めるりゅー、否。龍神。

甘えん坊で、よくお姉ちゃんの頭に乗ったりしていた子供ではない。

地の力を統べ、敵を打ち負かす龍の神が、そこにいた。


第一回進化作戦、成功。


残る進化希望者は、あと二人_________




165本目→←163本目



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (6 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
5人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ミナズキ(プロフ) - 和奈さん» これは第一シリーズから見た方がなんとなく解ると思うので、【妖怪ウォッチ】妖怪ウォッチdazeと検索すればたぶん出る筈です。このシリーズを見てくださりありがとうございます! (2016年3月6日 22時) (レス) id: 9eb94cc9a7 (このIDを非表示/違反報告)
和奈 - この作品の1から見たいのですが、何と検索すれば出てきますか? (2016年3月6日 21時) (レス) id: 66e0ba6353 (このIDを非表示/違反報告)
ミナズキ(プロフ) - アンケートはまだまだ募集中です。どこかご協力下さいませ! (2016年1月9日 22時) (レス) id: 9eb94cc9a7 (このIDを非表示/違反報告)
火車 - ミナズキさん» そう言って頂けて私も嬉しいです…(*^_^*) (2016年1月4日 19時) (携帯から) (レス) id: e5ef8f5494 (このIDを非表示/違反報告)
ミナズキ(プロフ) - 火車さん» いえいえ。アンケートに参加くださりありがとうございます! (2016年1月4日 17時) (レス) id: 9eb94cc9a7 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ミナズキ x他2人 | 作者ホームページ:http://uosv.org/p/ai0613  
作成日時:2015年12月15日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。