162本目〜都大結界、再び〜 ページ15
貴女side
昨日は全く寝る時間がなかった。
元祖軍、本家軍にそれぞれ所属する妖怪達は忙しなく飛び交い、各々の作業に没頭していた。
僅か7日。この間に、平安時代最強の陰陽師、安倍晴明が編み出した最強の結界術、都大結界を再現する装置を完成させなくてはならない。
設計図を見せられたのが昨日の日曜。しかもかなり大掛かりな物になっていた。設計者はでんじんにはつでんしん。それとアクターだ。
設計上多くのパーツや組み立て作業が必要になり、よって昨日の午後から寝る時間を一気に削りながら作業に取り掛かっているのだ。
私の現時点での睡眠時間はおよそ四時間。だがまだこれは長い方。隣で作業をする彼女は一睡もしていないのだ。
貴「......大丈夫なの、アクター?1回も寝てないんでしょ?」
アクターは目の前に散らばる細かい部品をドライバーやピンセットを使いながら組み立てている。その手は一切止まらない。
ア「時間が惜しい。早く完成させて、テストもしないといけないんだ」
貴「そんな時間あるの?」
ア「それを作る為にこうやって急いでるんだ。アリスもコウタに預けたし、作業に集中しろ」
貴「.......何であの子にアリスを任せたの?」
ピタリと、作業の手が止まった。顔を上げずに作りかけの部品をじっと見詰める彼女に私は更に問う。
貴「いくらなんでも、人間の子供に任せるなんて無茶だよ。もし、ジョーカーが拐いに来たら......」
ア「あいつなら大丈夫さ」
________どうしてそこまで言い切れるのだろう。私から見ればただの我が儘な子供にしか見えない。関わらないで、放っといての一点張りでこっちの言うことなんか聞いてくれない。
ただ力を求めるだけのあの子の気持ちが、私には解らなかった。彼をあそこまで信用する彼女の思惑も、解らない。
ア「________あいつは兄貴と同じだよ。頑固で泣き虫。そんで負けず嫌いで......誰よりも友人を護ろうとする執念がある。だから私達はあいつを信頼出来る」
再び作業の手を動かし、小さく笑みを浮かべながら彼女は言った。
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ミナズキ(プロフ) - 和奈さん» これは第一シリーズから見た方がなんとなく解ると思うので、【妖怪ウォッチ】妖怪ウォッチdazeと検索すればたぶん出る筈です。このシリーズを見てくださりありがとうございます! (2016年3月6日 22時) (レス) id: 9eb94cc9a7 (このIDを非表示/違反報告)
和奈 - この作品の1から見たいのですが、何と検索すれば出てきますか? (2016年3月6日 21時) (レス) id: 66e0ba6353 (このIDを非表示/違反報告)
ミナズキ(プロフ) - アンケートはまだまだ募集中です。どこかご協力下さいませ! (2016年1月9日 22時) (レス) id: 9eb94cc9a7 (このIDを非表示/違反報告)
火車 - ミナズキさん» そう言って頂けて私も嬉しいです…(*^_^*) (2016年1月4日 19時) (携帯から) (レス) id: e5ef8f5494 (このIDを非表示/違反報告)
ミナズキ(プロフ) - 火車さん» いえいえ。アンケートに参加くださりありがとうございます! (2016年1月4日 17時) (レス) id: 9eb94cc9a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミナズキ x他2人 | 作者ホームページ:http://uosv.org/p/ai0613
作成日時:2015年12月15日 21時