日常39 ページ48
貴女Side
走ってきた勢のまま、ガチャっとドアを開けた。
…開けなきゃよかったかも。
昨晩、なんの説明もなしに勢いのままに追い返したっきり放置してた男の存在を今の今まで忘れてた。
いや、最初はラインで謝るつもりだったよん?
今の今まで昨日の自己嫌悪の件以外の出来事をすっかり忘れてたんだよん。ほんとに。
「お、おはよう宗太…」
「宗太?………ああ、さては昨晩に追い返した男の名前でしょうかね?」
「うわ…根に持ちすぎでしょん。あのときはちょっと背に腹が変えられない事情があったんだよん」
目の前にいる宗太は能面みたいに真顔だ。
顔面が造り物みたいにキレイだから、ちょっと気持ち悪い。私の知ってる奴らにソックリだ。
「なんのことかなぁ?それとそのコトワザの使い方ちょっと違うし」
「オッケイ。宗太がだいぶ怒ってることは分かったよん」
「だから宗太ってダレやねん」
…いや、これ本当に怒ってんのかなん?
またまた変な胸騒ぎがする。
ウタの店から出るときも感じたけど、なに、私って変なフラグでも拾いまくってんのん?
……え?
最近話の雲行きが怪しすぎるって?
作者によれば、少しだけこのシリアスパートに付き合ってほしいとのことだよん。
「じゃあアンタはダレなのん?」
宗太じゃないと本人が言い張るんだから、ちょっとだけ付き合ってあげることにした。
「こういうものでーす」
見せられた手帳みたいな物には、フルタニムラ、イットウソウサカンと書いてある。ご丁寧にストレートヘアーVersionの宗太の写真付きだ。今の宗太と同じ髪型。
「うん、宗太だねん。私はどちらかといえはクルクル頭の宗太の方が好きだよん」
「だからダレやねんて。でもありがとう」
「お礼は言うのに同一人物だとは認めるつもりはないんかい」
嫌がらせにしてはウザい方向にだいぶ突っ走ってる。
今ここにピスがいたら、クチバシ攻撃のGOサインをだしていたところだ。
「フルタニムラって宗太のもう1つの名前だよねん?イトリさんが言ってたよん」
「あのヒトほんっっとおしゃべりだな」
「流石に喰種対策局のソウサカンとまでは聞いてなかったけどねん」
私と同じニオイがするのに、ソウサカン。
なんで今になって彼がそんなネタバラシをしたのか、私は不思議でならなかった。
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しゅー - つばきさん» パスワードを教えていただけないでしょうか 続きがどうしても見たいです! (2022年11月10日 6時) (レス) id: b8c93be065 (このIDを非表示/違反報告)
ロジュ - すごい素敵です✨ (2022年11月10日 6時) (レス) id: b8c93be065 (このIDを非表示/違反報告)
つばき(プロフ) - 名無しさん» イエスです。1番最初の主人公紹介にくわしく載っけてますので、よかったら見てください! (2018年4月25日 22時) (レス) id: 6182659536 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 主人公の口調は語尾に「〜ん」がつく感じですか? (2018年3月20日 14時) (レス) id: 0003b3e86d (このIDを非表示/違反報告)
つばき(プロフ) - Sinoさん» 待っていてくださって、コチラこそありがとうございます。°*ノロマノロマ+気分更新なのが申し訳ない…(泣) (2018年3月12日 21時) (レス) id: 5e1b7d3caa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:つばき | 作成日時:2016年6月4日 23時