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三十三夜 ページ35

Aside

「何ができるっていうの……」

「できる事は、必ずしもある」
「そうね……」

「彼女の為に、大人しく彼女を受け入れること。それが、貴女にしか出来ない働きよ!」

アロマが攻撃魔法を放ってくる。
先ほどの鎖を壊す為、魔力を削ってしまったが、

防御だけは行ける。
「水の盾(シャラール・ロック)!」

見事にその防御で、彼女の魔法を防げた。

何度も何度も、その繰り返し。

繰り返しの中、Aは彼女を拘束する隙を伺っていた。

けれど、案外防御は完璧なようで。

攻撃をしても、ボルグで防御。魔法じゃなく、ただの。

だから、攻撃を受けると……ヤバイ。

「……!」

Aは魔法を止めた。それは、先にアロマが止めていたから。

アロマは、口角を上げた。


「……もう充分だわ」

「どういうこと?」

アロマはなにも言わない。緊張だけが、Aを包む。

"充分"とは、どういう意味なのだろう。

降参、という訳ではないとわかる。彼女はエースに執着しているから。

すると、

「ぐっ」
Aは頭を押さえた。

ひどい激痛が走ってきたのだ。それを見て、アロマは

「貴女への攻撃魔法。あれ、エースの魂を所々入れたのよね」

「入れ……!?そ、そんな……私は防いで、」
「防げてないわよぉ?」

「あれは偽物。囮ね。本体は、痛みを感じさせない、魔法も見えさせないもの」


Aは今まで騙されていた。


「うぐ、ううう」
頭が支配されていくのが解る。

魂も、変わっていくのが、解る。


「嫌だ……嫌だ、アリババぁ!アリババの妹でいたいよ!私のままで、いたいよぉぉ!」


私のお兄ちゃん。それらがすべて、無くなってしまうのか。


「なぁ、A。知ってるか?」
「なにー?」

ふと走馬灯のようなものが、見えてくる。


「双子って、行動も言葉も一緒なんだって!」

「ほんとかなぁ?」
「ほんとだって!」

「考えることも同じ?声も、お互い聴こえる?」
「おう!」

私はその時、こう言ったっけ。


「私が危ないことを考えてたら、止めてね。私がアリババを呼んだら、真っ先に私を見つけて。

私を……抱き締めて、泣いてね?」


もうすぐ意識が無くなるから、こんなことを思い出すのか。

でも、大切なことを思い出した。


「お兄ちゃん……助けて」


彼は私の、お兄ちゃん。生まれたときから、私のヒーロー。

すると、天井から、
「うおおおおおおおお!」

彼が来た。他の奴らも。

アリババは、私を見て、やって来て、抱き締めて、泣いて、言った。

「頑張ったな……」



……褒めてね。

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設定タグ:マギ , シャルルカン、恋愛 , アリババ、双子   
作品ジャンル:アニメ
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暁の雨 - 雷牙さん» ありがとうございます (2019年11月5日 22時) (レス) id: b907679df7 (このIDを非表示/違反報告)
雷牙 - 更新頑張ってください! (2017年10月24日 8時) (レス) id: e8ca574508 (このIDを非表示/違反報告)
暁の雨 - kuroかふぇさん» うわああ!コメント来てた!気付かなくて、すいません!そう!あの部分に、触れていたんです!笑笑 (2017年5月10日 21時) (レス) id: e8dddc3b1a (このIDを非表示/違反報告)
kuroかふぇ(プロフ) - すごくおもしろいです更新楽しみです!! まさかシャルルカンが …あの部分を(ブッ (2017年4月23日 18時) (レス) id: 056893297f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:暁の雨 | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2017年2月10日 22時

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