【マギ】アリババの双子、退屈

三十一夜 ページ33

アロマside

あれから何時年経っただろう。エースの生まれ変わり、

A・サルージャが旅立って。

だが、それでシャルルカンとは、あまり関わらせないことはできたが。

「早くしなければ……蘇生の期限が、過ぎてしまう。依り代がなければ……彼女は、降りてこない」

彼女の魂が完全に無くなってしまう。

と、考えていたとき、

「A!帰ってきたのか!」
依り代が帰ってきた。

「……ふふ」

それに小さく口角を上げて、笑いを漏らす。嗚呼。これで、


材料は揃った♪


私は彼女の元へ行った。
アリババと同じく、大人びた彼女。

ああ、また一段とエースと化してきたわねぇ

「おかえりなさい。A」
「アロマ。ただいま」

ふわりと微笑むその顔も、全部。彼女の依り代にぴったり。

あはは。また、あの頃みたいに戻れるね。

「少し、話したいことがあるの。来てくれる?」
「いいッスよ」

……なにそれ。

エースはそんな事を言わないのに。誰かに、入れ知恵でもされたの?

それじゃあ、ダメ。材料として、そろってない。

「A。その口調、直してくれる?」

「でも、この方が喋りやすい」
「いいから。直して」

じゃないと、降りてこられなくなるじゃないの。

台無しにしないでくれる?

「……わかった」
「……ええ」

それでいい。これで、材料は完璧だ。エース。

いま、またあの頃みたいに。


「戻れるようになるからね……」

待っててね。貴女を蘇生させて、シャルルカンを殺すからぁ♪

これが、貴女と私達の運命。



「………」

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