三十夜 ページ32
すると、手から炎の紐のようなモノが現れた。それは真っ直ぐ、ティトスに向かう。
「くっ」
ティトスが顔を歪める。魔法で振り払おうとするが、燃えてしまう。
炎はティトスを拘束した。
「……これって、どんな状況?」
「僕に聞かれても、知るわけないでしょ!」
『あらあら』
と、その時、シェヘラザード様の声が響いた。
ティトスも聞こえるようだ。
「シェヘラザード様!?」
『ふふ。ティトス、はじめて敗北を知ったわね』
「だから、あんなに偉そうだったんスね……」
「う、うるさい!お前は黙ってろ」
ティトスさんよ。君の方が、うるさく感じるのだが。
『師をもう、あっさり倒してしまった。けれど、これで修行は終わりじゃない』
その言葉に嫌な顔をすると、ティトスに黙れと言われた。
喋ってないのに。理不尽。
『一年、二年＿＿＿彼らと同じように』
「……わかってるッス」
強くなる。
アロマを倒すため、アリババを護るため。
シェヘラザード様を、護るため。
◆
そして……月日が経った。
「もう、旅立ってしまうんだね」
「ムー先輩。はい、早く止めたいんで」
「そうだったな」
そんな、ムーの後ろから男女がAに突進してきた。
Aはなんとか、受け止めきれた。
「A!使命が終わったら、レームへ来るんだぞ!待ってるからな!」
「てめぇの居場所は、ファナリス兵団にもあるっての、忘れんじゃねぇぞ!」
「ミュロン……ロゥロゥ」
号泣する二人を見て、ムー先輩は呆れたように、笑みを浮かべる。
「痛い。死ぬ」
「「あーっ!Aが死んだー!!?」」
「お前らのせいだ」
ムー先輩が、拳骨を喰らわした。
それから、
「行ってこい。シェヘラザード様達は、忙しくて見送れないが……伝言をと」
満面な笑みで、
「悔いのない、戦いをしろ!」
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暁の雨 - 雷牙さん» ありがとうございます (2019年11月5日 22時) (
レス) id: b907679df7 (このIDを非表示/違反報告)
雷牙 - 更新頑張ってください！ (2017年10月24日 8時) (レス) id: e8ca574508 (このIDを非表示/違反報告)
暁の雨 - ｋｕｒｏかふぇさん» うわああ!コメント来てた!気付かなくて、すいません!そう!あの部分に、触れていたんです!笑笑 (2017年5月10日 21時) (レス) id: e8dddc3b1a (このIDを非表示/違反報告)
ｋｕｒｏかふぇ(プロフ) - すごくおもしろいです更新楽しみです！！ まさかシャルルカンが …あの部分を(ﾌﾞｯ (2017年4月23日 18時) (レス) id: 056893297f (このIDを非表示/違反報告)
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