【マギ】アリババの双子、退屈

二夜 ページ4

「珍しく不機嫌だねぇ」




隣でザイナブがそう言った、
…珍しくではない、そろそろ嫌だから


この無意味な戦いに、
終止符を打ちたいから


ハッサンが門を魔法道具で溶かし、
仲間達は御宝を盗む


「(アリババは分かってない)」


どれだけの人間が深傷を負うか
どれだけの人間が死に行くか


すると


仲間達の身体に赤い糸のようなモノが
絡み付いた、その方向を見ると


冷たい瞳をした男がいた


「…アリババ、逃げよ」
「馬鹿。逃げる分けねぇだろ」


「このままだったら、駄目なの」



男と…赤い髪の女をカシムが足止めしてる間、
私はアリババの手を取り走る


「おいっ、A!!待てって!!ｸﾞｯ」
「何で」




足を止めたアリババに、
私は不機嫌ながら聞いた


「彼処に…知り合いがいんだよ
あの、青い巨人を動かしてる餓鬼」


青い…巨人?


そう言われ振り向くと…、
確かに青い巨人がいて、子供もいた


「…だったら、終わらせて
カシム、大丈夫。知り合いらしいから…」


私はアリババの腕を掴んでいた手を離して
青い巨人の元へ行かせた


アリババは自分の巻いていた布をほどいた



「ｯ…アリババ…君?」


どうやら
本当に知り合いだったらしい


「アラジン!久しぶりだな!!
ウーゴ君をしまってくれ!!

俺の仲間がビビってる!!」


アイツは"アラジン"と言うのね


「駄目だｯ!!言うことを聴くな!!」



カシムの魔法道具に捕らわれている、
男がそう叫んだが



しまって…に、アラジンは青い巨人を
笛の中にしまった


「(アレはまるで、ジンのよう)」


迷宮(ダンジョン)
そう言われる所に存在する、

王を決める審判者のような存在


アリババだけじゃないのね

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