二十六夜 ページ28
「……なんで、戻らないんすか」
「んー。ここに居てぇから」
変なの。
そんなことをしてるんなら、アリババに剣術を教えてあげろ。
「……シャル先輩」
「ん?」
呼ばれて、此方を見る。
彼の、綺麗な緑色の目には私が写る。
やはり、そうしなければ＿＿＿
「私、正直シャル先輩が好きっす」
「……は?」
「永遠を共にしたいってくらいですかね……?」
「いやいや、おい、待て!」
「いきなりなんだよ」
うむ。いきなり過ぎてしまったのか。それは、申し訳ない。
「私シンドリアから、離れるんで」
「は?」
さっきと同じ言葉を口にした、シャル先輩。
「行かなきゃ……私はどうすればいいのか、聴かなきゃダメなんすよ」
彼女達に。
あの人達は知っている。
「いつ行くんだ?」
「今日の……夜中。誰にも気付かれないように行きます」
「俺に話した理由は?」
「……好きだからッス」
なんだか、これ以上、シャル先輩の顔を見るのは怖くなり、顔をそっぽ向けた。
シャル先輩が言った。
「俺も好きだぜ」
と。
「……そう、スか。嬉しいッス」
「……なぁ」
シャル先輩に声をかけられ、返事をした。すると、彼は
「キスしていいか?」
などと聞いてきたのだ。
「え。なんで、キスッすか?こんな真っ昼間になにもやらなくても……」
「やりてぇんだよ」
「貴方が言うと卑猥に聞こえるんでやめてもらえますかね」
はぁ。と呆れたため息をつく。
それもそうだろう。
今まで此方がリードしていたのに、いきなり相手に主導権のようなものを握られた。
癪に障った。
「……え」
返事もしていないのに。シャル先輩は、私に近付いてきて、
私は下がろうとしたが、腰を引き寄せられて、無理矢理立たされた。
「返事してないんすけど……」
「……我慢できねぇよ」
と言ったシャル先輩の声は、掠れていて、色っぽい声だった。
それが耳の近くで、思わずビクッと身体を震わせた。
抵抗が出来るなら、しよう。
シャル先輩の急所を蹴り上げて、鳩尾をして、
足を引っ掛けさせ、坪で頭を殴る。
「………」
そんな事が出来るのに、
私は＿＿
「ん」
抵抗しなかった。
アロマに近付いちゃダメ、と言われた。けれど、やはり
彼の傍にいたいな。
「もう一回……していいか?」
離れたくないと思いながら、唇を離したのか、シャル先輩は聞いてきた。
仔犬のような甘い声で。
「……いいッスよ……気分がそうなので」
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暁の雨 - 雷牙さん» ありがとうございます (2019年11月5日 22時) (
レス) id: b907679df7 (このIDを非表示/違反報告)
雷牙 - 更新頑張ってください！ (2017年10月24日 8時) (レス) id: e8ca574508 (このIDを非表示/違反報告)
暁の雨 - ｋｕｒｏかふぇさん» うわああ!コメント来てた!気付かなくて、すいません!そう!あの部分に、触れていたんです!笑笑 (2017年5月10日 21時) (レス) id: e8dddc3b1a (このIDを非表示/違反報告)
ｋｕｒｏかふぇ(プロフ) - すごくおもしろいです更新楽しみです！！ まさかシャルルカンが …あの部分を(ﾌﾞｯ (2017年4月23日 18時) (レス) id: 056893297f (このIDを非表示/違反報告)
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