十九夜 ページ21
「………」
「で、どうなの?」
「……何がッスか」
「その口調よ!マスルール君を、真似しているの?」
先輩と先輩に挟まれている。
詳しく言うと、小柄な金髪と豊満な胸の先輩。
歩いていところを捕まった。
「敬語は慣れてない……ですし、相談したら、俺と同じように喋ったらどうだって」
「へー!へー!」
先輩は楽しそうだ。女の子は、恋愛が好きだからかしら。
私は微妙だけど。
「シャルが聴いたら、嫉妬するだろうねー」
「そうね。あの剣術馬鹿は、短気だから!
すぐに、マスルール君に突っ掛かるんじゃない?」
「……剣術馬鹿?」
「シャルルカンよ」
ああ。先輩か。
「なんで、先輩が……先輩に」
「ややこしいなあ!ここでは、呼び捨てでも良いから、言って!」
それは本人の許可がいると思うわ。
だけど、この人達が言ったんだから、私は責められないよね。
「先輩が……どうして、マスルールさんに」
「……うっそー!アリアたんは、彼氏がいたって聞いてたんだけど、
好意に鈍感なのかね?」
彼氏……カシムの事かしら。
と言うか、何でカシムの事を知っているわけ。
誰かが言った?
アリババか……。
「鈍感かもしれない。私は、本気で好きになったから付き合ったんじゃないので。
ただ……保険をかけたかっただけッス」
「保険って?」
ヤム先輩が聞いた。私は言う。
表情を変えずに、
「アリババが死んで……私の傍にいてくれる人は、もう誰一人としていない。だから」
「カシム君と付き合ったと」
「……ッス」
理解してもらわなくても良い。
これは、
本当に大切な人を失った気持ちを、知ってる人にだけしか理解できないのだ。
「なるほどね……」
「でも、近い内に好意に気付くと思うよ」
「そうッスか?」
「ぷふっ。もう、なんだかマスルール君と話してるみたいね」
確かに!とピスティ先輩が言って、
ヤム先輩と笑ってる。
昔の私には理解できなかった光景、今は……
今私は、笑えているのかしら。
「ねえ!さっきから気になってたんだけど……
首に下げてるの、ピアスだよね?」
ピスティ先輩が指を指して言ったのは、カシムが別れ際にくれた
薔薇のピアスだった。
「穴開けないの?」
「アリババにやってもらおうと思ったんだけど、人のをやるのは怖いって言われたんで」
仕方がなく。
すると、ピスティ先輩が何か思い付いたような顔をして、
ヤム先輩に耳打ちした。
二人はにっこりとわらって、言う。
「そのスペシャリストがいるよ」
と。
二人は楽しげに……。
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暁の雨 - 雷牙さん» ありがとうございます (2019年11月5日 22時) (
レス) id: b907679df7 (このIDを非表示/違反報告)
雷牙 - 更新頑張ってください！ (2017年10月24日 8時) (レス) id: e8ca574508 (このIDを非表示/違反報告)
暁の雨 - ｋｕｒｏかふぇさん» うわああ!コメント来てた!気付かなくて、すいません!そう!あの部分に、触れていたんです!笑笑 (2017年5月10日 21時) (レス) id: e8dddc3b1a (このIDを非表示/違反報告)
ｋｕｒｏかふぇ(プロフ) - すごくおもしろいです更新楽しみです！！ まさかシャルルカンが …あの部分を(ﾌﾞｯ (2017年4月23日 18時) (レス) id: 056893297f (このIDを非表示/違反報告)
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