十八夜 ページ20
「………」
よく、眠れなかった。
多分……シャルルカンのせい。
あんなのされても、今までは何ともなかったのに、今は……。
カシムのせいで……。
「……やっぱり、敬語は使わないと」
歳上の男だし。
____と言う事。
「……そうか」
目の前に立っている、無愛想な男。
モルジアナと同じ
ファナリスのマスルールと言う。
彼も敬語があんまり、得意ではないそうだ。なら、と思い。
「俺と同じ口調はどうだ」
「……なんだっけ」
「ッス」
なるほど。それなら、微妙に敬語じゃないし。
やりやすいかも。
「わかった……ッス?」
「時々だ。たまに、敬語で話す事があるが、ゆっくり慣れればいい」
無理にじゃなくていいんだ。
「……ッス……はいッス?」
「……それはあまり合わない」
「……わかったッス?」
「その方が……」
しばらく、ッスと言う。彼の口調の練習をしていた。
私は言う。
「あと、私はつい……スラム育ちだったから、
歳上を呼び捨てにしてしまう……」
「それなら、先輩って呼べばいい」
「……関係もないのに?」
「難しいんだろう?」
正論なので、頷いた。
マスルー……先輩とは、なんだか楽だ。
そんなに気を使わなくてもいいと言うかなんと言うか。
「マスルールさん!」
と、モルジアナの声がした。
かなり遠くから来たはずだけど、
ファナリスだからか、息切れをしていない。
「遅れて申し訳ありません」
「いや。別にいい」
「そう言うわけには……!」
「Aさん。いたんですね」
どうやら、いま私がいたのに気づいたみたい。影が薄いのかしら。
金髪だから目立つ方だと……。
「じゃあ、もう行くし。
修行始めてもいいよ」
「はい」
私は二人に背を向けて、歩き出す。
……実験しよう。
先輩に振り向いて、
「先輩、さんきゅーッス……」
「………」
こくんと頷いた。私はよかったのか?と思い、また歩き始めた。
おまけ。
「………」
____先輩、さんきゅーッス……
「(さんきゅーは合わないと思う)」
「マスルールさん。どうかしましたか?」
「……なんでもない」
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暁の雨 - 雷牙さん» ありがとうございます (2019年11月5日 22時) (レス) id: b907679df7 (このIDを非表示/違反報告)
雷牙 - 更新頑張ってください! (2017年10月24日 8時) (レス) id: e8ca574508 (このIDを非表示/違反報告)
暁の雨 - kuroかふぇさん» うわああ!コメント来てた!気付かなくて、すいません!そう!あの部分に、触れていたんです!笑笑 (2017年5月10日 21時) (レス) id: e8dddc3b1a (このIDを非表示/違反報告)
kuroかふぇ(プロフ) - すごくおもしろいです更新楽しみです!! まさかシャルルカンが …あの部分を(ブッ (2017年4月23日 18時) (レス) id: 056893297f (このIDを非表示/違反報告)
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