十三夜 ページ15
「っ」
「………」
「おらぁっ」
「………」
アリババが攻撃を仕掛ける。
私は避ける、そして
ﾄﾞﾝｯとアリババの鳩尾を殴る。
「ぐっ……くそっ!
何でだよ、何で勝てねぇんだ!!」
「攻撃が単純だから?」
「疑問系で言われると殺意が湧く……!」
お腹を擦りながら
アリババが言った。
よくわからないし……
「でやあっ」
またアリババが襲いかかる。
私は、剣を持ってる
アリババの腕を掴み、
地へと叩き付けた。
アリババは顔をしかめる。
「……何してんだよ」
と、アリババが言う。
私は叩き付けた時に
アリババの上に、馬乗りになって
てっきりアリババは殴ると
思ってたらしい。
「……ねぇ、アリババ」
「なんだよ」
「アリババは……離れていかない?」
アリババは何も言わない。
黙って、次の言葉を待つ。
「マリアムもカシムも……
国王やお母さんだって、離れていった。
次はアリババ……
私にはもう、アリババしかいない。
アリババが離れたら、
私はどうすればいい」
「……!」
「……苦しい」
アリババの頬に水滴が落ちる。
私は気にせず話を続けた。
「苦しい、胸が痛い。
気持ち悪い、誰かがいなくなると
こうなるの……」
水の中にいて、私は手を差し伸べて
助けを待ってる。
お母さんが助けようとした。
お母さんは消えた。
国王が助けようとした。
国王は消えた。
カシムが助けようとした。
カシムは消えた。
マリアムが助けようとした。
マリアムは消えた。
私の大好きな人達がいなくなり、
私は暗い深海まで堕ちて
助けを待つ。
誰かが引っ張ってくれないと
私は何もできない。
屍なの。
「息が出来なくなる……っ」
そこでアリババは
私の後頭部に手を回し、
胸に押し付けた。
そして、頭をやさしく撫でる。
「……俺もわかる。その気持ち」
「………」
とても優しい声音で言う。
「苦しいよな……失うと。
どうすればいいかわからなくなって
誰かに引っ張ってもらわねぇと
何をすればいいか
わからなくなるよな。」
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暁の雨 - 雷牙さん» ありがとうございます (2019年11月5日 22時) (
レス) id: b907679df7 (このIDを非表示/違反報告)
雷牙 - 更新頑張ってください！ (2017年10月24日 8時) (レス) id: e8ca574508 (このIDを非表示/違反報告)
暁の雨 - ｋｕｒｏかふぇさん» うわああ!コメント来てた!気付かなくて、すいません!そう!あの部分に、触れていたんです!笑笑 (2017年5月10日 21時) (レス) id: e8dddc3b1a (このIDを非表示/違反報告)
ｋｕｒｏかふぇ(プロフ) - すごくおもしろいです更新楽しみです！！ まさかシャルルカンが …あの部分を(ﾌﾞｯ (2017年4月23日 18時) (レス) id: 056893297f (このIDを非表示/違反報告)
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