【カゲプロ】綺麗な花には棘がある【花言葉】 (ページ10)

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ﾏﾘｰ / わからないページ10

金木犀 / 気高い人、謙虚、初恋

踏み出せない。彼が、遠くて。どうしてかなあ。ねえ、ここに、いるよ … ?

「女王」

ねえ。嫌だよ。そんな名前で呼ばないで。私は、こんな風にはなりたくなかったの。

ぐしゃり。血溜まりに咲く花を無機物でも見るかのような感情のない視線を投げつけながら、踏み潰してゆく。怖かった、怖かった … のに。いつの間にか、忘れちゃって。

女王の仮面がこびり付いて離れない。乗っ取られる。私が、消える。

いきはよいよい

かえりはこわい

忘れないでいたかった。痛い。痛いよ。
ねえ、あなたは、覚えていますか ?

今まで色んなことがありましたね。

私を見つけてくれたのは始めから終わりまであなただけだったんです。あなたが、

わたしの、✕✕✕✕ だった

ねえ、目を覚まして。わたしはここに居るから、

真っ赤に染まる地べたに無抵抗に押し付けられた君はもうここにはいない。いるはずなのに、いない。あの笑顔は、見れない。

なんでかな。生まれて初めての君なのに。

己の足は力を失い、重力に倣って崩れ落ちた。彼の頬に手を添えた。動かなかった。笑ってみた。苦しそうにもがいた。涙を零した。目を開いて、くれなかった。

こんなの現実じゃないよ。
お願いどうか、夢なら早く覚めて。
もう限界なのに、こんなの見たくないよ

私もみんなと同じが良かった。
なんでかなあ
私じゃみんなを救えないのかなあ

わからないよ、ねえ、なんでそんなに怖い顔するの ?
また、笑うの ? 馬鹿みたいだって

止めてよ。如何して、

女王なんかに、なりたくなんてなかったのに

大切な人が、いなくなって行く。
突然の現実を突きつけられた。
いつかはわかってた
こんなことになるって
それでも、分からないふりをしていた。
逃げていた。怖気付いていた。

弱虫だった。

知らない。こんな結末は知らないよ
これは本当にあなたが望んでいることなの ?
嘘だ。嘘だよ。
寂しいじゃあないか。
一人ぼっちはやだよ。
ああ、もうすぐ

時間切れだ。

普通になりたかった少女の話