王子様に授けるお菓子 ページ9
ロッジ内まで切原君は私を運んでくれた。
赤也「降ろすぞ?」
しっかり両手を添えて地面に下ろしてくれた切原君に、何だか紳士味を感じてしまう。
赤也「救急箱…あーあったあった。」
「切原君、救急箱の位置とか把握してなさそうなのに意外だね」
赤也「どんなイメージだよ。まぁ知ったの昨日だけど」
「使う機会でもあったの?」
赤也「腹減りすぎてなんか無いか散策してたらたまたま…」
「食いしん坊」
ニヤリと笑いながら切原君に言うと、目を逸らされてしまった。ご、ご立腹だろうか…
赤也「そんな事言うやつには消毒沁みるように付けるからな…」
「え、労わって?お姫様抱っこしてくれた王子切原君みたいに」
赤也「お前なぁー…」
照れくさそうにポリポリと頬をかいて、ジト目になる切原君は何だか大型犬みたいな、そんな雰囲気を感じた。
何だかんだ、沁みたらごめんな。と一言添えて消毒、絆創膏、関節の部分だから剥がれないように軽くテーピングまで施してくれた。
「処置までわざわざありがとう、切原君」
赤也「ま、まーー王子様だしよ???」
「なにそれ笑」
自信満々に言うが中々キマってない切原君が面白くて、自然と笑いが零れ落ちる。
赤也「今日は派手に動くなよな」
「ハイ…ありがとうございます!そうだ、切原君」
赤也「何だ?」
「ちょっと着いてきて」
私は切原君にお礼がしたいと思った。
切原君は話を聞く限り食いしん坊そうなので、本来バカンスでお菓子パーティをする時の為のお菓子を渡す為、私のロッジに向かったのだ。
赤也(この方面て……ん?ここ、A達の部屋じゃねえか!!!!え、え。え?)
切原赤也が戸惑っている事など、Aは知る余地もない。
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作者名:あぽろろろろろ | 作成日時:2021年11月6日 19時