辻褄 ページ19
朝だ。
私はほんの少しだけ早めに起きて、身支度を整え、跡部さんの様子を見に行く。
1日経って具合が悪くなる可能性も十分有り得たからだ。
「跡部さん、おはようございます」
跡部「お前か、おはよう」
「体調どうですか」
跡部「もう完全に大丈夫だ、体も軽い。お前も何かあれば直ぐに俺を頼れ」
大丈夫そうな様子だったので、一言お礼を伝え部屋から出る。
朝のミーティングも特に問題もなく乗り越える事が出来た。
ただ1つ…比嘉中の人達が来なかったことを除いて。
ミーティング後、樺地君に呼ばれロッジへと向かうとそこには跡部さんが居た。
跡部「お前に頼みたい事がある。比嘉中の真意を問いただして来て欲しい」
「私ですか…」
跡部「俺が行ったら大将首でも取ったかの用にあいつら騒ぎ出すだろ…樺地にやらせる訳にもいかねえしな。」
まぁ、確かに樺地君にはキツイ所存だと思いますね。
と、心の中でも素直に思った。
「期待はしないで下さいね」
跡部「悪いな」
跡部さんの元を去り比嘉中のロッジへと向かう。
その足取りは一歩一歩が重く、背中を後ろへと引っ張られるような感覚だった。
知ってはいけない。そんな予感が心をよぎった。
木手さんの前に立って少しいいですかと声をかけると、木手さんは伏目でフッと笑う。
正直、未だ木手さんの真意はまだ見えない
が、私はこの笑みを"話す"という意味合いで捉える事とした。
「木手さん。ずっと聞けずにいたのですが、木手さん達の最終的な目的って何ですか?」
木手「貴方はもう察しているでしょう。俺達は跡部君の企みを阻止したいのです」
「企み…ですか。」
企みと言われれば、何かと思う事が出てくる。
だが、流石に情報が少なくまだ結論までは出せていなかった。
パッとしない顔を浮かべていると、見かねた木手さんが更に口を開く
木手「この合宿は、跡部君達氷帝によって仕組まれたものです。」
何を言われたか理解するまでに少し時間がかかってしまったが、よくよく考えてみると全て辻褄が合う。
"管理されているみたい"
"管理"
その言葉に尽きる。
そんなことができるの何て、この島の所有者"氷帝の榊監督"だけなのだ。
でも、引っかかりが全て消えたわけではない。
「そんなことをする必要あるのでしょうか」
木手「この合宿でけがをした人達を覚えていますか」
木手さんの問いかけに私は首をひねる。
この合宿でけが怪我をした人…
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作者名:あぽろろろろろ | 作成日時:2021年11月6日 19時