雑木林へ ページ13
配管とカメラ…
あれは一体何だったのだろうか。
レジャー施設というくらいだから、遊びに来た観光客が撮影のために使っていたカメラを落として気付かずそのままにしてしまった。とか…
だがここで、この島に迷い込んだ時の跡部さんの言葉が頭をよぎる。
跡部「このレジャー施設はしばらく使われていなかった・・・」
違う。しばらく使われていなかったのならカメラが落く人がまず居ないはず。つまり、カメラが置かれることも無いはずだ。
電源やデータを見る前に鳳君が来てしまったから見えなかったけど…あのカメラそんなに汚れていなかったし。
何なら全然使えそうなレベル。
カメラはともかく、配管はどう説明するんだろう?
たまたま鉄パイプが埋まってしまって、その表面が出て配管に見えるとか…
鉄パイプが埋まるような状況なんてあまりないし。
それに先程の事から、自分の中で浮かび上がってる答えはもう出ていた。
このサバイバルには裏がある。
木手さん達が言っていた証拠とはこの事なのだろうか。
跡部さんにこじつける理由は分からないけど。
夕食後のタイミングまで待つことにした。
植物関係として雑木林の草木を見てみれば、同じものがあるかもしれない。
夜ならきっと雑木林を人目つかず探索出来る筈だ____。
雑木林を探索するために
あの後私は夕食を済ませ、懐中電灯を隠し持ち雑木林に向かった。
もし…もし植物の管理がされているなら草木の下に配管が見える場所があるかもしれない。
海沿い近くからロッジ近くの雑木林を探索したが、それらしいものは何一つ見付からない。かれこれ1時間くらいは探したが、出てきたのは動物の糞とか、落ちた木の実とかくらいだ。
もし、自分があんな場所にカメラを置くとしたら何を目的に置くのだろうか。何が見たいのだろう。
必死に考えてみてもその真意は出てこないし、ピンと来るようなものも思い浮かばず、行き詰まってしまう。
これではただの植物観察ではないか。
もう1度屈んで草木をかけ分けた瞬間
?「おい、誰だ」
奥の方から私の物音に気付いて声を掛けて来た人
それは、朝から何となく避け続けてしまっていた”跡部さん”だった_______
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作者名:あぽろろろろろ | 作成日時:2021年11月6日 19時